第6話

自分より不幸な人間がいるというのは、無様で苦しい物なのだということを痛感させられた夕方。


ひどい鬱の友人。発達障害を抱えながら生きる友人。それに比べてちっぽけな私。

他者と自分を比べるのは良くない事ぐらい知っているが、実践に移せるかはまた別である。



死ぬための準備を、今のうちに始めようと思う。


『お前は死ねないさ』なんて言われてしまったら、自殺志願者としてのプライドと、乳臭いガキの部分が疼いて止まらないのだ。

『まだ若いのに死ぬ準備をするなんて』とか『この世には生きたくても生きられない人が〜』とか。とりあえず、気が済むまではそこら辺には耳を塞いで生きる事にしよう。


正論なのには変わりないと思うのだが、まぁ、これは私の人生だ。許せ、サスケ。

ガキ臭くて嫌になるが、まぁ。いいや。




さて、私が死ぬまでにしないといけない事は大きめに分けて3つ。



1つ目は、実家から出て愛しい母の老後を看取ってもらえる介護施設を見つけ、その費用を賄えるだけの金をかき集める事。


2つ目は、親孝行をする事。


3つ目は、その事を親に悟られない事。



とりあえず、お金を貯めきるまでは死ねない事が確定した。

それに加え、自分の生活費に通院費と薬代、死なない程度の娯楽代、その他諸々も抱えつつ生きる。わぁ、大変そう。


いつまでもガキのままぬくぬく生きていたいが、そうもいかないのでなんとかしなければ。



1つ目はまだどうしようも出来ない。

介護施設なんて、絶賛少子高齢化祭り開催中の今ならいくらでもある。母が行きたい所に行かせてやろう。

目安として、特別養護老人ホームに親を入れた場合。月に大体11〜14万かかる。

そこに医療費やら色々嵩むだろう。とりあえず月18万の計算で、祖父母が施設にいた期間と同じ5年を想定してみる。


1年で大体216万。5年なら1080万。

高い。ばり高い。ギガント高い。

保険でいくらかマシになる事を期待しよう。



2つ目はなかなか難儀だ。

とりあえず、これは未来の私にぶん投げる。

生きてりゃ見つかるさ。



3つ目もなかなか。めんどくさい。

親としては私に幸せな家庭を築いて欲しいだろうが、無理だ。

代々男を見る目がない家系の生まれなのだ。男を作らない方が、きっと自由で幸せに生きられる。


心の奥底で、子供欲しいなぁなんて思っているのは、誰にも言えない。私だけの秘密。


あ、公開したら秘密じゃないじゃん。てへ。




このサイトと私のやる気が、死ぬまで続くことを祈っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る