第4話

『嘘でもいいから、感情の乗った肯定をしてほしい。』


誰かに相談する人の心理は大体こんなもんだと思う。私はそうだ。


世間からぷかぷかと浮いている自分の紐を捕まえて、肯定という手段で冷えて固まって動かない心を温める体温を分けてほしい。

精神病患者としてじゃなくて、人として見てほしい。ただそれだけ。


え、私承認欲おばけじゃん。ヤダぁ。



コロナ禍に入って一気に増えた相談系のチャットには、そんな体温を分けてくれる心優しいと思われるやつらがワラワラ湧いている訳で。

政府が立ち上げてたり、胡散臭そうなNPO法人が立ち上げてたり。多種多様だ。


不思議なのは、多種多様なのに、どのチャットに相談しても子供の頃抱いていたガビガビとした声のロボットのような、感情のこもっていない、冷たくて機械的な声しか帰ってこない事だ。


「ソウダネー」「ツラカッタネー」「ガンバッタネー」と、まるで機械のように繰り返す。ループの中から一生抜けられない可哀想な人たちばっかり。

そういえば数年前、ヒロインを助けるためにぐるぐる日常を繰り返すループ物…みたいなのが流行った気がする。興味なかったからあんまり知らないが。



あの機械じみた肯定は、本心から来る肯定なのだろうか。本当にそう思っているのだろうか。

一回たったの30分。良くて5回の会話のキャッチボールで私の何が"わかる"のだろうか。


まぁ、でも『わかってくれるわけない』というメッセージに『わかるよ』と返してくるのだから、超能力でも持って察してくれてると信じよう。

私、いい子なので。



まぁ、普通にそんなめんどくさい女に捕まった相談員さんが可哀想という話である。

自己肯定感が著しく低い。そのくせ理想が高い。そんなんだから私は生きづらいのだろうか。

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