第10話

 殺された綾渡左子について僕が知り得る情報とすると将来はオーガニックな食材を全ての料理に使ったカフェを経営したいという夢を持った女の子で積極的に僕を殺そうとした女の子ではなかった。寧ろ僕とは距離を置き面倒事に巻き込まれないようにと人間関係に消費期限を設けるタイプの子であった。その子は両足を切り落とされ失血死したという。腕で地面を這った様な跡が残されている事から何とか生きようとしたのだろうとの事。

 現在、時刻は十時半。

 まだ僕の誕生日は続く。

『サコちゃんが殺された?』

『ああ。犯行現場は新市街の裏路地。こんな時間に女の子が出歩いてるのも不自然だが更に不自然なのは周辺住民が犯人と揉み合うような声なんか聴いてねえんだと。両足を切り落とすような残虐性を持つ犯人とだぜ?』

『後ろから不意を討たれたとかじゃなくてか?』

『断ち切る場合は硬いスネがある方から斬るのが一般的だろ。それに不意打ちで両足を断つ事が出来るなんてヤツは俺かお前、それか柳生ん所の御嬢さんぐらいしかいねえだろうな。その辺は鑑識の結果待ちだが、間違いなく前から斬られてるよ』

十兵衛ちゃんが犯人の場合とも考えたが、部長は妖怪モードを持っている神人だ。それに加害者への強い怒りを持つ理由が『人の道に沿った正義と法に沿った友愛』という部長独特の強い戒めからなので、中途半端な正義感を持たない彼女ならば間違いはないだろう。中二病で変な女子だが、人を殺して知らんぷりなんか出来る女の子じゃない。

 それは今回殺されたサコちゃんもそうだったのだが_。

『…兄貴。これ、多分二人とか三人じゃ終わらねえぞ?』

『何でそう思う?』

 僕は出来るだけ理論的に、筋道を通して言えるように考え言葉を選びながら言う。こうした相手に自分の意見を説明をする場合は長々と話さずに論理を小出しにするのが良い。

『まずサコちゃんだけど、彼女は僕を積極的に傷付けようとしていない』

『ああ、らしいな。神降ろしこそしていねえが、お前を自殺させた事を悔やんでる節が見受けられたとか捜査課の連中が言っていた。カフェ巡りが好きな普通の女の子だったか?』

『加害者の末端も良い所だ。扇動者の事を調べ上げる事が出来たとしても末端の人間を調べるなんて事は余程時間をかけて僕のイジメ自殺について調べていないと出来る事じゃない。加害者狩りの真犯人はかなり僕のイジメについて学んでいる』

『となると主犯格じゃなく康平イジメの流行に参加しただけの人間も充分に危険って訳か』

『そしてサコちゃんの死に方だ。近隣住民の方が声を荒げる様子が無いと証言している』

『ああ。そうだな』

『そしてこんな時間なのにノコノコ外に出かけている』

『ああ。そうだ』

『それはつまり誰かに呼び出された。それもこんな時間でも急いで会いに行かなくちゃならない要件が出来た事を意味すると考えられる』

『まあ、だろうな』

『サコちゃんは何度も言う通り普通の女の子だ。その彼女がこんな夜中に独りで出歩くような事情というのは僕の自殺についてなんらかの進展が在ったからだと考えられる。というか、それ以外で深夜俳諧する事が出来るような子じゃない』

『まあ、深夜というには時間は浅いが。そうかもな』

『ならサコちゃんを殺したのは加害者側の人間だ。加害者狩り、恐らく加害者の一派の中で起きていると考えるのが自然じゃないか?』

『外部の人間は末端まで知る事が出来ない。けど内部の人間なら末端まで知る事が出来る、か。まあ悪くねえプロファイリングだな。俺はよく小学校で標語を見掛けるんだがよ?『嫌な事をされる相手の気持ちになって考えてみましょう』とかそういう奴なんだが、それってそのまんまプロファイリングしろって事だよな』

 確かに。

 もし自分だったら、如何に思い、如何に考え、如何に動くか。だから変死体が家の中で発見された場合、トイレのレバーに犯人の指紋が残される場合が多々ある。人を殺してしまった、途轍もない事をしてしまった、そう感じた人間はまず尿意を感じる筈だからだ。

 これは寝坊して遅刻が確定してしまった時にも起こる現象なのだが_。

『兄貴。僕を解放しろ』

『お前を解放してどうなる?加害者狩りを止められるのか?』

 それは解らない。闇雲に走り回っても真犯人を突き止める事は恐らく出来ないだろう。それにまだ真犯人が独りであると決まったわけじゃない。藤堂彩の殺しと綾渡左子の殺しが同一犯であるなどという確証は何処にも無い。

 考えろ。

 誰が犯人かをじゃない。

 それを考えるのは捜査課の刑事と理系の探偵さん達だ。

 誰が犯人なのかなんて如何でも良い。

 僕の役割は悪者を見つける事じゃなく弱者を守る事だ。

 これ以上、被害者を増やさない為に何が出来るのかだけを考えろ。

『嫌な想い出もあるけど良い思い出もあるんだ。サコちゃんは死んでいいような子じゃない。自分の身を守る為に僕を殺す流れに乗っただけで決して攻撃性が高くない良い子だった。確かに僕はイジメを苦にして自殺してそれで人生が狂ったけれど、狂ったから死んでしまえと思った事も殺してやると思った事なんかも一度もない』

『だがお前を外に出した所で幕府の面子は動かねえんだろ?そもそも祟りが発生していない案件に対して神人は動けねえ。《事件を調べるのは人間の仕事》だからな。それに悪人を捕まえるのもお巡りさんの仕事だ。お前の自殺が事件の中心でも幕府の役目じゃねえ』

『まるで『カゴメカゴメ』だな。檻の中で飼われてる感じがする。確かあの唄は後ろの正面に立った子供を殺すとか身売りするとかの悲しい民謡だったと思うけど、僕の真後ろに立った人間が殺されてる事を思えばあながち間違いじゃないのかもな』

『後ろの正面だぁれ?だな。遊びで次死ぬ人間を決めているってところが昔の日本の狂気を感じるわな。逆に遊びでやんねーとやってらんねえって事なんだろうけどよ。なんつったっけか、死ぬ前の唄。終極の唄って文化だっけか?』

 犠牲を遊びで求める文化、か。

 いつでもこの国は変わらないという事なのか。

 終極の唄。

 ラストワード。

 今でもわらべ歌として各地に残る、唄になった断末魔。

『でもまだ日常の範疇で終わる事が出来る。これ以上続けば本気でラストワードとしてのカゴメカゴメだ。そんな大戦以前の文化が現れてみろ。どんな祟りが出るのか想像も出来ん。そもそもこの町の信仰体系は民話信仰や妖怪信仰なんだ。そういうガチでヤバい『カゴメカゴメ』とか『花壱匁』とかのラストワードは出て来ちゃダメなんだよ』

『だな。古妃クラスの祟りが出てくるかもしれねえ』

 出たら終わりだ、そんなモン。

 今のところ、最強の古妃である〈カグヤ〉は確認されていないらしいが。

 出て来んで良い。

 お願いだから、筍でも喰って大人しくしてて下さい。


 脇の予備知識として。

 祟りは現れる負の思念の総量や媒介となった信仰というか怨念により幾つかにクラス分けされる。


〈素体〉

 これはヒトガタや名無しの祟りで神降ろしの練習相手に丁度良い。ヤオロズネットに溜まった負の思念が凝固する前に形を作ったような弱い存在で新入生でも充分に祓える。

〈怪異~悪魔〉

 これぐらいになると伝統工芸科の連中がチームを組んで討伐する。元々在るような都市伝説や神話に記載されているような悪魔に形を作った、ドラクエでいうと勇者のヒットポイントが百を超えた辺りで出てくるザコモンスターという感じだ。

〈悪鬼~天使〉

 この辺りになると幕府幹部級が出動しなくてはならないクラスの祟りになる。人々に悪さを積極的にし出す祟りであり、ある程度の知能まで持つようになるパンチの効いた祟りだ。ドラクエでいうとギガデインを使ってようやく倒せる程度の強さと表現するのが解り易い。

〈魔王~神族〉

 もう此処クラスになると戦争のような有様だ。陣形を組んで戦術ドクトリンをしっかりと設定して各々の役割を全力でこなして祓う事が出来る。ドラクエでいうと聡明な頭脳と半端じゃない実力を持ったラスボス級だといえるだろう。FFでいうとバハムートに近いかも知れない。大神降ろし事件で町中に現れた祟りというのも此処のクラスにあたる。

〈祖神~天神〉

 敵前逃亡をする味方が目立って来る。平坂の宿した〈アマテラス〉や僕が宿した妖怪モードである〈日本最強の怨霊〉がこのクラスに相当する。町に被害を出さずに勝つ事はどう考えても不可能な程に負の思念が凝縮された存在であり、ドラクエでいうならば隠しダンジョンのボスぐらいに強いといえるだろう。FFでいうとガラフの世界でのエクスデス戦や次元のはざまでのオメガ戦ぐらいに激しいと思ってくれて良い。

〈古妃~古皇〉

 このクラスは見た事が無いがどうしようもない。〈カグヤ〉や〈シンデレラ〉、〈ドロシー〉などの民話や寓話で信仰されている比較的新しく自由な概念であり、何が原因で形造ったのか詳しく解らない存在であるらしい。ドラクエでいうと冒険の書が消えた時ぐらいには絶望するのだと思う。もしも現れたら、僕は忠宗辺りを犠牲にして真っ先に逃げよう。ロマサガでいうとリヴァイヴァとクリムゾンフレアとソードバリアと乱れ雪月花とテンプテーションの見切りとソウルスティールの見切り無しで七英雄に挑む様なモンだ。


 とまあ、こんな感しで。

 もしも〈古妃〉クラスの祟りなんぞが現れたら本当にどうしようもない。そして〈古妃〉に関してだけは日本の人身御供をわらべ歌にするような悪辣な風習が原因で発生するのではないかと研究者も話している。人身御供に選ばれた物が唄うのではなく、選ばれずに生き残り喜んだ者が唄うのだから、選ばれた者の肉親がどんな風に感じたのかを慮れば何故発生するかを考えるのは容易い。

 ちなみに僕は七英雄で進化後のワグナスが大嫌いだった。その理由は単純で強過ぎるからだ。だから結局、陣形をラピッドストリームに固定してリヴァイヴァを全員にかけてから戦闘開始というスタイルが定着してしまうのだがね。


 さて、『自殺』を理由に産まれる祟りは例外なく強力だ。弱くても魔王クラスという事が決定してしまっている。それは単に僕の自殺、大神降ろし事件で発生し町中を闊歩していた祟りがそうだからというしかないのだが_。

 此の『加害者狩り』が原因で祟りが発生する事は間違いない。

 それは涙を呑んで良いとして、それがどの程度の祟りになるのか。

  確かに僕等は事件を追えない。

 でもその事件が祟りを喚ぶとなると僕等の役目だ。

『ガチでヤバいのはそういう犠牲を厭わない日本の風習に則った事件だったか。この国は昔からなんか都合の悪い事があると若い娘だのの生贄をポンポン出す国だからな。クハハ、命を消費どころか浪費してるって意味じゃあ、内戦続きの中東より性質が悪いな』

『それがしかも信仰されてっから問題なんだよな…』

 人が死んで治まったらそれで良し。

 人が死んで治まらなかったら生贄の追加。

 誰かのせいにしたがる民族性。

 それも、かなり強引に。

 アンデスだったか何処かの高地に昔存在した神様には、全部の悪い事を一手に引き受けるなんて自己犠牲の塊のような神様も居たようだけど。その『二億六千万の悪の器』でさえ、結局は生贄を求めた民に従っただけだ。

 アンリ・マンユつったか?

 アンタ、どんだけ優しいんだよ。

 まあコッチの自己犠牲の神様は石造りでおベベが赤い反物のオシャレな御方だけどさ。

 本体がマッチョだからなあ…。

 契約先の悪口を言う訳じゃないけど。

 並び地蔵の連中なんかマッチョが七体だからなあ…。

 その内の一体は手拭い被ってるし…。

 大好きな、本当に人生で出会った民話の中で一番大好きな物語なんだけど。

 実際に当事者に会ってみると、そりゃ恐怖だったぜ…?

 マッチョな巨人に囲まれるって普通に恐怖を感じたぜ…?

『生贄だってのか?加害者狩りが』

『恐らくは。でなきゃ僕の誕生日にこれだけ加害者が殺される理由にならない』

『何の為の生贄だ?』

『殺人事件を隠れ蓑にしてでも隠したい事柄が在る。つまりは大神降ろし事件。僕の自殺だとは言えないか?それだけ僕の自殺は身勝手な理由で、正当な理由なんか何処にも無いような本当に身勝手な理由で行われたのかも知れない』

 アンリ・マンユさんじゃないが。

 悪いのはぜーんぶお前のせいだ!

 そんなのが、僕の自殺の原因だったからな。

 嫌な国だな。

 生贄をすぐに求めるんだから。


 イジメによる自殺を、仕方ないで押し通そうとするんだから。


『僕の信仰基盤は『笠地蔵』だ。だからお地蔵様の契約者に成れた。多分お地蔵様は此の加害者狩りに心を痛めている。これから祟りが発生するのであるならば、そして誰も頼れないのであるならば、僕はパート警察官でも生徒会長でもない地蔵菩薩の契約者として動きたい』

『んじゃ俺じゃ無理だ。俺は警察官で警察の外側に居ねえ。頼るなら権力者にしろ。お前、こういう時にこそ頼れる人間がすぐ傍にいるだろ?』

 誰だ?

 そんな人間、僕の物語に居たか?

 都合の悪い人間しかいねえんだけど?

『お前、もっと大人を頼れ』

『ああ。そういう事か』

 確かに、僕は大人をもっと頼るべきだった。

 居るじゃないか。

 頼りになる大人が。

 毎日、僕の家に栗焼酎を飲みに来るじゃないか。




「自分がどんな人間なのかを知りたいのであれば、自分がどの昔話が好きなのかを考えれば良い。何故その昔話が好きなのか。それを突き詰めていくと自分が目指すべき人間像が見えてくる。好きな物語というのは常に自分が成りたいと思う人物像が見える物なんだ」

「自身の信仰基盤ですね。兄にも話しましたが僕の信仰基盤は笠地蔵になります」

「康平君は笠地蔵の御爺さんのような優しさを忘れたくないとするのは有名だけどね。そうした自分の基礎となる御伽話が何かをしっかりとしていると自分の信念がハッキリしてくる」

「信仰基盤を持つ為なら何でも良いでしょうからねえ」

「信仰さえ持てば人は時代を重ねずとも魔術師のように奇跡を行使出来る。康平君は警察用の第一世代ナノマシンを遺伝で受け継いだけれど、それだって康平君が笠地蔵の御伽話に出てくる御爺さんと御婆さんのように優しさを忘れたくないという想いが在ってのものだ。沢山沢山傷付いて、優しさを深めていくからこそ康平君は強い。そしてその過ぎる程の優しさが原因で人生が狂ってしまった。目の前で誰かが傷付く事を病的に恐れる君だからこそ、苛められている子を救おうとして今度は君が自殺に追い込まれてしまった」

「其処まで大層なもんじゃないですけど」

「なかなか出来る事じゃないよ。その優しさと勇気は誇っていい。けれど自殺をキッカケに君の精神は変質してしまった。優し過ぎて何事にも本気になれなかった君は憎悪と禍根によってしたたかさを得てしまった。今イジメとか目撃したら康平君は同じように守ろうとするかい?苛めっ子を殺そうとするだろ?」

「…そう、かもしれません」

「君の信仰基盤は変わらない。寧ろ、自殺に追い込まれるという最大級の痛みを知って信仰基盤は力を増したんだ。優しくない者を許さない程度なら珍しくないけど、優しくない者を殺したいと感じる精神姿勢は稀有なものだ。それが妖怪モードとして背中の彫り物に現れた」

「刺青してる学生は普通退学の筈なんですけどね…」

「妖怪モードを宿している人間は背中の彫り物を見れば一発で解る。妖怪モードを宿していない生徒の調査は時間を必要としないだろう」

此処で理事長は煙草に火を点けた。

チラチラとグラスの灰皿を視ていたのでタバコが吸いたいのだろうなとは思っていたが。

「あの…。警察署は館内全面禁煙でして…」

「灰皿が在るじゃないか」

「…まあ、良いっか…。どうせ皆吸ってるし…」

「しかし康平君の発想の自由さには驚かされるね。味方である筈の幕府が動かない、仲間である筈の伝統工芸科が動かないと知るや否や、大人の協力者である私に動いてくれと打診して来たんだから。康平君ぐらいの年齢は大人に頼る事を避けるもんだけどなあ」

「兄の助言が在ったからです。そもそも神人では事件の捜査が出来ませんからね。兄が居る警備課の下請けですから」

「二人目の被害者が出た時点で私を動かさないとならなくなったわけだね?」

「娘さんが動かない。忠宗が動かない。クラスメイトが動かない。その時点で理事長に手足になって貰うという選択肢は確かに在ったんです。ですけどお忙しい理事長にパシリになって貰うというのはやはり抵抗がありまして。僕は兄の指示で此処から出る事が適いませんし」

「加害者狩りというならば恐らく康平君の友人が犯人だろうとするノリ君の推理は私も共感出来る。しかし、本当に友人だけが犯人だとは思わない。既に君の自殺はこの町の人間ならば誰でも知る事柄だ。そして君が家庭崩壊と精神崩壊で心を病み、生きる屍みたいになっていた事も皆が知っている。ならば友人だけでなく地域住民などの全ての関係者まで容疑が産まれるだろう。事実として様々な年齢層の方々が加害者狩りに参加してしまっている」

「其処なんですよね。世間ではパンデミック的に加害者狩りという流行が広がってしまっているでしょうから祟りが発生する事は避けられないでしょうし、このパンデミックの終息が何処を着地点とするのかも定まっていません。僕がメディアを通じて『加害者を許します』と発言したところで僕が奪われたものは返して貰っていないのですから着地する事は無いでしょうし火に油を注ぐ結果にもなりかねない」

「二人被害者が出た以外にも町は大変な騒ぎだ。デモ隊のように君を殺した人間の自宅を取り囲んだり君の自殺を隠蔽しようとする神仏庁付属高校を取り込んだりとね。まるで忠臣蔵みたいな有様だよ」

「忠臣蔵ってよりは猿蟹合戦みたいな感じもしますけどね…」

「サルカニウォーズこそ寓話の忠臣蔵だろう。青く硬い柿を投げつけた猿が吉良上野介、蟹の仇討ちをせんと集まった勇士が赤穂浪士だ。ただその赤穂浪士、ちょっとばかりパンチが利き過ぎているんだよ。何処から加害者の情報が漏れたのかは定かじゃないけど新遠野市が軽い戦場みたいな有様だ。祟りも発生していないというのにだよ?」

 犯罪心理学の先生はこの状況をどんな風に考えているのだろうか?

 そして、『三人目』の彼女は?

 猿蟹合戦とするならばその『三人目』の彼女こそが猿であるべきなのに、加害者狩りは猿に誑かされた仲間を狩るばかりで青い柿を投げた猿に矛先が向いていない。

夜間であるにも拘らずサイレンの音を出して警察署から何台も車輛が飛び出していく。町での騒ぎを収拾する為に召集されたのであろうお巡りさんが忙しそうに署内を走り回る。

「蟹である僕が直接猿を斬れば、事態は治まるんでしょうか…?」

「可能性はあるがリスクが高過ぎる。君はこの戦争が産み出す祟りの為に力を温存する必要がある。猿蟹合戦に参加するのではなく猿蟹合戦が産み落とすものに備えなくてはならない」

「イジメによる自殺はこうなるんだよなあ…。だから黙って我慢してたってのに…」

「康平君より先に康平君を想う方々の我慢が限界を超えたんだろう」

「弔い合戦の猿蟹合戦か…」

 僕がそれをしてくれと頼んだ記憶は無いのだが。確かに復讐したい気持ちが無いのかと裁判所や取調室で聞かれれば在ると証言するだろう。それも心の奥底で燻るような小さな火種ではなく心の中で煌々と燃え上がる篝火の如くハッキリと存在していると、僕は言うのだろう。

 だって、あるんだもん。

「まず理事長は身体計測でもなんでもこじつけて背中に彫り物が無い神人を調べて下さい。特に伝統工芸科などの工業部を。それと娘さんに伝言を頼まれてくれますか?」

「伝言?テレパスじゃダメなのかい?」

「テレパスは傍受されないと言い切れませんからね。《加害者狩りに参加している加害者をマークしてくれ》と。それだけで彼女には伝わります」

「ヒメちゃんと康平君は仲良しだからなあ。結婚するんだったら私は大賛成なんだからね?康平君のような優しく真っ直ぐな男の子が息子になるんだったら嬉しい限りさ」

「それ兄貴も言ってたな…。僕は今日十七歳になったばかりなので。それに娘さんは結婚なんか考えるより遊びたいでしょうからね。正直、僕もそうですし」

「並ぶと夫婦のように見えるカップルというのはね、縁が強く働いているものなんだよ。娘への伝言はちゃんと伝えよう。安心して欲しい」

 そもそもカップルじゃねえんだけど。

 まあ、良いや。

 娘に相応しいと親父さんが認めてくれただけでも誇りに思う事にしよう。

「警察署を出る時は裏口から。図書館側には絶対に出ないように気を付けてください」

「ああ、そうしよう」

 そういって理事長は応接室を後にして貴族街へと戻って行った。大きく息を吐いて、僕は理事長が届けてくれた誕生日プレゼントの矢鱈と重い大きな箱を開ける。リボンを解き、丸太のように大きなブッシュ・ド・ノエルが容れられているケーキの箱の二重底。

 籠釣瓶と機械鞘を取り出す。

 結局、誕生日プレゼントとして届けられたのは見慣れたいつもの道具だった。

 ダミーとしてのチョコレートケーキを折角だからと少し食べてみる。お誕生日おめでとうとホワイトチョコでデコレートされているブッシュ・ド・ノエル。

 まるで普通の誕生日みたいだと、僕は苦笑いした。



 警察署から脱出というか脱獄した僕はすぐさま大騒ぎの渦中に向かった。民間人の避難をと誘導していた大男、本多忠宗を見つける事は難しくなかった。奴は父親が自衛隊の英雄なのだからオジサンと同じ行動をしているだろうという確信が在ったからだ。火の手が上がり、加害者宅を取り囲む民間人で溢れる旧市街。それ以上に火の手が天を衝くかのような有様の新市街が遠くに確認出来る。

 これが今年の五月九日。

 僕の誕生日。

「忠宗!」

「阿呆。どんだけ脱獄に時間かけておるんじゃ」

「祟りは⁉」

「ワシ等を目指して元気いっぱいに歩いておる。殿が来たのであれば民間人の避難誘導任務を一般生徒に委任じゃな。ワシ等は祟りを此処で食い止めるぞい?」

 町中では次々に加害者だった人間が民間人に襲われるというアリの巣を突いた様な騒ぎというか阿鼻叫喚と言う程に見渡す限りではなく阿鼻というか新遠野市叫喚の中、僕だけその町の騒ぎに混ざらない。混ざれない。

 異物だからなのか混入物なのかは判らない。

 そもそも皆が一生懸命日常をやっている時に自殺について考える人間なのだから不純物というのが正しいのかも知れない。

 そんな不純物に助けてをいう人間。

 そんな不純物を頼るしかない人間。

 なんて脆弱で、なんて身勝手なんだろうか。

 あの時多数派だった彼等は、今こうして多数派の暴力で脅えなくてはならない。

 猿蟹合戦のように因果応報とは言えない。

 この騒ぎには、猿蟹合戦の重要なファクターが抜け落ちている。

「祟りが出たって騒ぐ事がまず間違いなんじゃよな。出ない筈がないじゃろ、こんな暴動のような騒ぎになっておるんじゃから」

「人が騒ぎに乗じるのは戦を本能的に楽しむからだ。だから勝ち戦にはドンドン人が集まり負け戦には離反者が多くなる」

「殿の自殺がそうじゃったからな。善悪の判断なんぞ不要な勝つか負けるかが全ての幼い精神が殿の全てを狂わせた。その結果が加害者狩り、そして祟りの発生じゃ」

「本気で〈古妃〉クラスの祟りが出たらどうするかと思ってたけど。考えたらイジメによる自殺の意趣返し程度で其処まで強力な負の思念に成るわけがなかったな。伝承に則った殺しとかしてるわけじゃないんだし、土地神様の御社を破壊されてるとかでもないんだし、そもそも遠野ブランドは暴君による邪悪ではない、生活から産まれた自然発生の邪悪にこそある」

 神降ろしで遠くに確認した現れたという祟りは全身に鎖が巻き付いて全身に包帯が巻かれているグルグル巻きにされている女性だった。

 膨らんだ胸も全然嬉しくない。

 両手に大バサミを持ってギチギチ言ってんだから当然だ。

 人間タイプの祟り。

 間違いなく、人間が原因で発生した存在だった。

 抗脅威目標を確認したとして村正籠釣瓶のロックが解除。

 適正ユーザー、徳川康平である事を確認しましたとの網膜表示。

 機械鞘も同時に起動。

 冷却機構、及び各デバイススタンバイ。

「全身に包帯は『怪我をさせられた、もしくは未来を奪われた痛み』に対する負の思念。全身の鎖は『人殺しをしてしまったという罪に対する後悔』かのう?」

「それじゃ加害者が祟りを産み出してる事になるだろ。其処まで真面目に人間やってねえよ連中は。させられたじゃなくてこんな風にしてしまいたいって欲望が形になったんじゃねえか?」

「加害者狩りを行う者の目標値というか目的地があのような姿じゃと?」

「ただ祟りでもオッパイがデカい事だけは嬉しい」

「呼吸のたびに包帯が膨らんだり凹んだりするのは見ていて気持ち悪いぞい…?」

 ギチギチと僕等と対峙する祟り。僕は籠釣瓶を機械鞘から抜いて正眼に構え、忠宗はその辺の道路標識を引っこ抜いて八相に構える。機械鞘側面のポケットからはホログラフ表示をさせる為の超小型ドローンが四体飛び出した。そしてすぐさま「この区画は現在岩手県警公安部が治安維持活動中です」と可愛いマスコットが注意を呼びかける映像が道路に映し出される。

「狩られる加害者がバカじゃとワシは思う。殿に謝って殿に償えばそれでええのに逃げようとするからボコボコにされるんじゃろ。被害者の人生が狂う程の重大な犯罪をしておいて自分は悪くないって、それ子供の理屈じゃぞ?」

「優しくないんだよ彼等は。それで自分は大人だと勘違いをしてる」

 大人なら、皆が幸せになる道を選ぶ筈なのにな。

 加害者狩り。その膨れ上がり過ぎたサルカニウォーズは警察でも鎮圧が難しく政府主要施設を警備するだけで精一杯。旧市街の顔馴染みも中学までは同じ学校に通っていた他校の幼馴染も小学校の時の担任も皆一様に人殺しである加害者をやっつけようとする流れ。

 青い柿を蟹に投げつけた猿はこの状況をどう考えているんだろうか?

 だって仕方ないじゃないとか言うのだろうか?

 仕方ないってなんだ?

 罪を有耶無耶にする効力でもあるのか?

 仕方ないってなんだ?

 結局はそれ、妥協と諦観のゴリ押しだろ?

「他人の不幸と悲観、それと悲哀こそが至上の喜びとする畸形の感性の持ち主がおったじゃろ。誰彼構わず中傷を繰り返して自分だけがこの世で一番凄いと思っておったインテリ気取りじゃ」

「ああ、居たな。今頃、此の加害者狩りで狩られてるんじゃないか?」

「可哀想な男じゃ。人を殺してまで自分の存在を主張するしかないのじゃから…」

「被害者気取りなんだろ。だから人を殺す程の事をやっても罪の意識がまるで無い」

「二人目の彼女を救う際に殿は正攻法では無理じゃと判断した事が全てのキッカケじゃったな。どんな手を使ってでも彼女を孤独から救おうとした結果が袋叩きにされての自殺じゃ」

「今思えば小細工だったなと思う。けどあの子が犯罪に手を染めている事を知った以上は救わなくちゃならなかった。彼女が何で孤独だったのかって男遊びに遑が無かったからじゃない。その男遊びが法に触れる火遊びになってたからだ。そんなモン、身を挺して身を犠牲にしてでも止めさせるのが普通だろ。親御さん知ったら悲しむのは眼に見えてるし」

「優し過ぎるんじゃって、お主…」

「お巡りさんの合言葉は『優しく無ければ強くなれない。強く無ければ優しくなれない』、だ」

 その結果がこれ。

 加害者と呼ばれる彼等は正しかったし、僕は僕で独りぼっちの彼女を助けたいと思っていた。お互いの正義が在ったしお互いの主張もあった。

 なら何が悪くてこんな事になったのかってタイミングだのなんだのの天命が悪かったのだろう。

 だけどそれだけじゃ加害者狩りには発展しない。

 僕を自殺させただけじゃ満足しなかったからこその加害者狩り。

 青い柿を投げつけ、猿は更に蟹を絶望の淵に立たせようとした。

 その嗜虐性こそが住民の皆が怒っている原因。

 そのその猿は。

 恐らく、自分が何をしたのかを理解出来ない感性の持ち主。

 だって皆やってるじゃんと言うだろうが。

 皆がやってたら犯罪になりませんと言うならば、テロリストは皆が無罪放免。

 皆が赤信号を渡れば、その皆がお巡りさんから捕まるだけだ。

「学者先生の言う三人目の彼女はこの状況をどんな風に捉えているのじゃろうな?」

「解らん。女の腐ったような感情で動く人間の事なんかプロファイリング出来る筈がない。猿は硬くて青い柿を蟹に投げつけた。蟹の母親が死んだのは青い柿をぶつけられてじゃなかったけど、それが間接的な要因ではある。そして被害者である蟹本人はこうして公序良俗を乱す化け物を倒す為に刀を抜いてる。被害者は蟹で、加害者は猿だ。だけどその間には蜂だの栗だの臼だのが大勢集まって来ている異常事態だろ。こんな大騒ぎになったというのに何故、『猿は謝らない』と思う?」

「それ、ヒステリーなミステリーじゃなあ…」

「元々ミステルってのは神秘を現す言葉だ。なら日本語の『見棄てる』ってのもその内に探偵さんが解き明かすのかもしれん」

「見棄てりーって、それどんなジャンルなんじゃろうな?」

「解らん。探偵が助けてを言う人間を後ろから蹴飛ばすんじゃないか?」

「それ探偵さんが犯人じゃろ」

「僕の自殺の時はそうだった。辛くて相談してた奴がイジメの首謀者だった。僕が自殺をしたら皆で集まって祝勝会。それが人間だよ。仲の良かった奴なのに、何でそんな事をしたのかの謎は今でも解けていない。友人を見棄てる事が既に人間が抱える神秘、つまりミステリーだ」

 新ジャンル。

 見棄てるミステリー。

 ガチン、ガチンと鎖を鳴らして大股を開き祟りは近付いて来る。発生場所である事件現場は旧市街郊外。今現在暴徒化してしまっている加害者狩りの連中の所に祟りを近付かせたら僕等の負け。防衛ライン到達前に祓う事が出来たら僕等の勝ち。僕等が負けた場合、多くの住民が犠牲になるので僕等のというか皆の負けになると言った方が良いか。

 手にした大バサミを引き摺りながら歩くので散った火花が夜の原風景を瞬間的に、連続的に照らしだす。祟りから漏れ出す負の思念は真っ黒なコールタールを思わせ、黒いアスファルトを更に夜と混ぜあうかのように闇色に染めていく。

 神降ろしによる索敵結果が視界に幾つかのグラフで表示された。

 総霊力は危険度Cランク。

 けれど攻性判定がBランク。

 信仰阻害判定は最低のGランク。

 総合判断、〈悪鬼〉クラス。

 どんな皮膚の色をしているのかさえ判別出来ない程に包帯でグルグル巻きにされたその姿は全身を鎖で覆われている事を差し引いても生命感がまるで無い。ミイラ女でも出て来たのかと最初思ったが加害者狩りの流れでミイラが祟りとして現れる道理は無い。

 結局、何が原因で発生したのかなんてのは推測で憶測でしかない。それを考えた所で相手の弱点が視えるわけじゃないし、弱点が視えた所で幹部級が出来る事なんていうのは限られている。

 握り拳固めて殴りかかるだけだ。

 いつまで経っても学習しないとお巡りさんからは怒られている事なのだが。

 多分、ずっと僕は誕生日の思い出に縛られていくのだろう。

 だから変質しない。

 だから成長しない。

 ずっと十六歳の誕生日をメビウスの輪の中を走る様に生きるんだと思う。

 無為に、不毛に、繰り返して行くんだと思う。

 だから此の加害者狩りを猿蟹合戦に譬えるのは間違い。

 猿を懲らしめたのはハチに栗に臼にという蟹の仲間だけど。蟹本人が猿を懲らしめない限り、蟹はいつまでも青柿を投げ続けられる。でも蟹は臼に潰されてしまった猿なんか望んでいない。青柿を投げつけられて親を殺された蟹は猿が踏んだり蹴ったりコンボの最後に臼で潰される程度じゃ納得しない。猿の全身をナマス切りにしたって怒りは治まらないし猿の眼球に鋏を突き入れて潰してやったとしてもまだまだ怒りは鎮まらない。

 加害者狩りの主役は狩人達であるが。

 猿蟹合戦の主役は間違いなく蟹だ。

 被害者が主役である事を忘れた時点で弔い合戦は意味を見失う。

 僕が蟹なら猿が悪知恵働かせて出家したとしても斬る。バラバラに切り刻んで遺体を親に届けるぐらいはするだろう。それか猿の子供をバラバラにして猿に送るぐらいはするかも知れない。

 でも母親蟹は蘇らないのだから、めでたしめでたしとはならない。

 そもそも加害者であっても誰かを傷付けてめでたしめでたしなんてのは在り得ないもんだ。

 奪われた物、全部返して貰うまで。

 猿が臼に潰されちゃ蟹は困るんだ。

「際限なく膨らんでいく栗にハチに臼。そして全滅する勢いで懲らしめられる猿。蟹の考えなんかほったらかしで猿は次々と追い詰められ身を寄せ合ってガクブルしてるわけだ。硫酸かけられた猿も居れば両足を裁断された猿も居るんだからな」

「長い誕生日じゃな。去年は大神降ろし事件で長かったが今年は今年でまた別の意味で長い」

「際限なく続く踏んだり蹴ったりコンボで笑いを取るってのは映画『裸の銃を持つ男』で既にやられちゃってる。冒頭の船でのあの一連の流れで笑わなかった日本人は多分いないぞ?踏んだり蹴ったりコンボってのはああやって笑いにするのが正しい使い方だ」

「最初に撃たれてる筈なのにストーブで手を焼いたり窓が落ちて来て指を挟んだりと色々な残念イベントが起こるあれじゃな。ワシは手を伸ばせば届く程の至近距離での銃の撃ち合いが好きじゃった」

「そもそも蟹に青柿投げつけた張本人の猿はこの状況を楽しんでるんだろ。狩られてる猿はその黒幕の猿に誑かされただけの枝葉でしかない。そんなモン、スネ夫と間違えてトンガリを倒してるのと変わらん」

「確かに見た目は似ておるが…」

 何処にいるのか、その三人目の彼女は捕捉出来ていない。

 完全にロストしてしまっている。

「誑かされたトンガリだけ損してるんだ。だからこの加害者狩りという行為というか流行そのものがお門違いで空回りして町を混乱させただけで本質的には何も解決していない。あんな気持ち悪い祟りまで発生させちゃってんだから」

「見た感じ体格は成人女性みたいじゃが。大バサミが厄介じゃな。蟹は殿であって加害者狩りに興じておるものでは無かろうに」

「蟹の鋏はアスファルト擦って火花出さねえだろ」

「カルシウムを沢山摂取した剛の者ならば出るかもしれんぞい?人も蟹も日々の食事から鍛錬の路は始まる。そして日々の写経に日々の読経を経て悟りへと辿り着くのじゃ」

「蟹は仏教徒じゃねえ」

「生きとし生ける者全てに寺院の門は開かれておる。人も蟹も同じじゃ」

 神降ろしを使わない目視でも視認出来る距離に入り、僕は武者鎧を、忠宗は法衣を具現化して身に纏った。

 信仰を纏うイメージを維持。

 そのイメージの固着。

 宿した英霊の想像に自分を重ねる。

 故に。

 是を、神降ろしと呼ぶ。


〈STAND BY_〉

 モニタを通して世界を覗き込む様な視界。

 敵情報が逐一更新されていき、視界を忙しくさせた。

〈READY!〉

 全ての計器類が砂のように崩れ落ち、身体は水鳥の羽根のように軽くなる。


「徳川、神降ろし起動!」

「本多、神降ろし起動じゃ!」

 町は大騒ぎ。

 コッチは大暴れ。

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