第1章 出会い

1話 りさちゃんの優しさ

「学校、頑張ってね」

 ある日、りさちゃんが言った。

 どんなに無理なことでも、りさちゃんが言うならやってみようと思った。

 不登校だったけど、行ける気がした。

 次の日、学校に行った。

 りさちゃんは信じてたのかな。えりかが学校に行けるようになる、と。

 久しぶりに行ったせいか、学校での周りからの視線が痛かった。

 それでも帰らなかったのはりさちゃんが言ってくれたから。

 えりかに会うたび、毎回。

「明日もえりかね、学校頑張るね。」

「そっか。いってらっしゃい。学校頑張ってね。」

 そんなりさちゃんにも1回も言わなかった言葉があるよね。

「今日、学校行けた?」

 ただひたすらせかさず、静かに見守っててくれた。

 だから1ヶ月学校に行けたんだ。

 でも、また不登校になった。

 でも、えりかは隠したかった。だから、何も言わないようにした。

 そしたらりさちゃんも不登校に戻ったことに気づかないから。

 でもりさちゃん、君は気づいてたんだね。

 私が不登校に戻ったということに。

 でも、これだけは忘れないでいてほしい。

「頑張ってね。」

 私が、この言葉にどれだけの勇気をもらったか。

 泣きそうになっても君の顔を見たら、嫌なことも吹っ飛んだ。



 ありがとう。

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