第12話 ジャンケンごめんなさいリレー
授業のはじめにレクリエーションがわりにやるリレーゲームである。4チームに分かれて、チームの前にフラフープリングを置く。
「今からジャンケンごめんなさいリレーをします。あくまでもゲームですので、勝負にはこだわらないでください。やり方は各チームから代表一人が出て、向こうに立ちます。その人とジャンケンをして勝ったら、チームにもどってきて次の人にタッチします。負けるとフラフープのリングまでもどってきて、チームのみんなに(ごめんなさい)を言って、またジャンケンにもどります」
「2回目も負けたらどうするんですか?」
と子どもから質問がでてきた。
「いい質問ですね。勝つまでやります。ゲームですから」
「エー!」
と声があがる。
「それでは、1番前の人はむこうに行ってください」
と言って、代表の子をずらして並ばせた。
「では、ヨーイ、スタート」
先頭の子は勇んでジャンケンに行く。勝った子は意気揚々ともどってきて、次の子にタッチ、負けた子はしょんぼりしてリングのところにきて
「ごめんなさい」
と言っている。足取りは重い。でも、2度目に勝つと満面の笑顔で戻ってくる。
紅の男子チームがリードしていたが、足の速い春樹くんがなかなかジャンケンで勝てない。3回目も負けてしまった。もう泣きださんばかりだが、4回目にやっと勝てた。その間に白の男子チームが全員終了。アンカーは運動が苦手な亮くんだった。
「では、2回戦をします。最後に走った人がジャンケン係です。向こうに行ってください」
ということで、2回戦開始。そうしないと一度も走らずに終わってしまう子がでてくる。今度は白の男子チームが苦戦している。亮くんはジャンケン担当なので、走らずにすんでいる。終始ニコニコしている。今度は紅の女子チームの優勝だった。
今日も豪介は走らずに終わった。
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