もう、やだ、恥ずかしい


チュン!チュン!

鳥のさえずりが聞こえる、今日はスズメか、いやけどヒヨコっておかしいよな。

「なんか、体が重い…」

「兄ちゃん!起きて!姉ちゃんがキレる!」こいつ、姉ちゃんがキレるって言ったら俺がなんでもすると思ってんのかよ、まぁその通りなんだけどね

「うい〜、はぁ眠た…」

「お兄ちゃ…あの、誰ですか?」

「は?何言ってんだよ兄弟だろぉ!」

「姉ちゃん!強盗だ!」

「なにぃ!」姉が、般若のような顔をしながら走ってきた。

「え、いや、ちょ、まっ!」

「お前!こんななんも無い家に来てんじゃねぇよ!」

「姉ちゃん!待って待って!俺だって!しょうとだって!痛い痛い!」実の姉に羽交い締めにされるのは意外に初めてなのだ。

「んじゃぁ!家族にしか言ってない秘密言ってみろやこらぁ!」

「姉ちゃんのカップ数はB寄りのAカップ!」

 力が緩まった、これで助かると思っていた俺が馬鹿でした。

「おい…しょうと」やっと伝たわったと思っていたら、見えるはずのない赤いオーラが見てた。

「は、はい!」

「このクソガキ!」

「うわぁ!痛い痛いごめんなさい!」

「はぁ…朝から災難だった…」

「で、お前はなんで女になったんだ?」

「分かんない」

「な、なぁ兄ちゃん…」

 ゆうが頬を赤に染めた。

「ん?どした?」

「み、見えてる…」

「ん、あぁまぁ兄弟だし、見られても減るもんじゃ無いからね」

「こっちは目のやり場に困るんだよ!」

「いやぁだって、俺男だし、女物の下着持って無いし」

「姉ちゃんの借りろよ!」

「いや、姉の下着とか、いやだろ」

「ま、まぁ確かに…」

「とりあえず飯、食べようか」

「う、うん」

家族3人で、楽しく朝ごはんを食べた。

「てか、しょうと、制服ないだろ?あたしの貸してやるよ、ブラも一応貸してやる、文句言ったら殺す」

「文句なんて言わないよ、ありがと姉ちゃん!」

「くそ!こいつ可愛いな!」

「え?」

「い、いやなんでもない」

「制服の着方分かんない…」

「こっち来い…」

「うい」

「お前無駄に胸でけぇな」

「ちょ!触んなって!お、おい!やめろ!」

「良いじゃねぇかちょっとぐらい」

一方的なセクハラを受け、何とか着替える事が出来た。

「この服めっちゃピチピチなんだけど…」

「文句言ったら殺すって言ったよな?」

「ごめんなさい」

見つかりたくなかったので今日は人の少ない道から行く事にした。

「先生に言いに行かないとな」

職員室前は緊張するものだ。

コンコンコンッ!

「坂本先生いますか?」

「ん?」

 先生の元まで、向かった。

「しょうとなんですが、なんか女の子になってました」

「そうかんじゃぁほかの先生方にも言っておく、親戚と言う設定にしよう」

「え、なんかすんなり行き過ぎじゃないですか?」

「まぁそんなシュチュエーションを何回も頭の中でしていたからな」

「そ、そっすか」

「ていうかお前、可愛いな」

「…///」

「何照れてんだよ」

「うっせっすよ!」

「言っておくよ、とりあえず教室に行ってくれ」

「はい」親戚って言ってもどうしよ、名前とか考えてないしな…

そんな事を考えていたら、教室まで着いた。

「おはよ、ひかる」

「おはよ…って初めまして?」

「あぁ、俺しょうとだよ起きたら女の子になってた」

「意味がわからないけどまぁ、本当に涙ボクロもしょうとっぽいし、まぁいっか」

「他の人には言わないでくれよ」

「あいよ」

 ひかるに適当に説明をしていたら、坂本先生が来た。

「はいはい、お前ら座れぇ〜」

「お前らに言わないといけない事がある、しょうとは、入院してるって事と、転校生が来てる、かえで、前に来てくれ」ちゃっかり、名前決めてくれてる。

「皆さん、初めまして、一ノ瀬かえでです」

「まぁ、苗字の通り、しょうとと苗字が同じなのは、親戚だからだ」

「よろしくお願いします」

「よろしく!」ひかるナイスフォロー!

「めっちゃ可愛くね?」

「それな!胸でけぇ笑」気持ちわりぃな…まぁ俺も男だったから分からるんだけどね

「んじゃが、しょうとの席座ってくれ」

「はい」

 周りの目線が痛い。

 と言うか胸しか見てない。

「お疲れ様、かえで」

「ん、ありがと」

「て言うか、あきとは?」

「分かんねぇ、まぁ多分くる、あきとには言っておくよ笑」

「て言うか、1週間言いなりだっけかえで?」

「忘れてた、なんか命令したい事あるの?」

「命令かぁ、いやらしい命令でも?」

「お前がする訳ないだろ、童貞」

「あ、もうキレた、はずかしめてやろう、今日俺の家こい」

「そんな事言ってどうせ手出せないんだろ笑」

「やってみないと分からないよなぁ」

寝ていたら4限目になっていた、次は体育だ。

「着替えるかぁ」

「お、おい!かえで!」

「ん?」

「馬鹿野郎!ってあぁぁ!」

「ひゃぁ!」

「おい!やめろ!お腹触んな!」

「柔けぇ」またしても周りの目が痛い。

「君たち見るのやめてぇ!」

体育が終わるまでずっと萎えていた。

もう恥ずかしい…

それから学校が終わるまでずっと周りの目が痛い。

 

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