第2話 入学式
4月1日、何年振りかのパンツスーツに袖を通して、
自宅から大学に向けて40分の通学。ここの大学に決めたのは、家から隣町なので通学がしやすいこと、レポートを〆切ギリギリになっても、隣町なので学務課まで届けられること、そしてシングルマザーとしては学費の安さが1番だった。
息子は通学制の大学なので、がっつり長期休暇は取れるし、平日は毎日通学(コロナ禍はオンラインが多かったけど5類になったので通学が増えた)。
対して私は通信制なので基本スクーリングがない時は、個別学習でレポートの進め方も自分次第、スクーリング以外は課題もレポートも学習計画も全て自自己責任。しかもスクーリングは通学生が休みの長期休暇💦
スクーリングで取れる単位もあるけど、スクーリング受講条件があったりして、スクーリングのしおりやらでひたすらチェックしないと受けられるスクーリングが受けられないという😵
色んなことを思い巡らせながら、入学式当日に私は大学へ向かった。入学式前に通学生、通信制、二手に分かれて通学生は人数が多いので、講堂の1階へ、通信生の大学、大学院入学生は2階に分かれて入学式を受ける。
通信制だと全国の新入生がいるわけで、当然近隣に住む新入生が参加する形、強制ではないし。
今日は入学式の後に学務課の方のカリキュラムや学習の進め方などの入学説明会もあるので、仕事で休みを貰って参加した。
学長の退屈で長いスピーチ話の後に、各学部の教員の紹介など、一通り終わり入学式は終了。別の教室の案内が学部ごとにあり、そこで入学説明会が行われた。
学習の進め方やシラバスの見方、スクーリングに関する説明、オンラインでの手続きやオンラインスクーリング、PC操作や設定の説明、レポート提出などの説明、質疑応答で終わった。
帰り道、説明会の教室を出たところで、女性に声を掛けられる。
「突然すみません、新入生の方ですよね?私は森尾 綾子(もりお あやこ)って言います。さっき入学説明会でお見かけして。」
「根岸 百海(ねぎし ももか)って言います。初めまして。森尾さんは何年生ですか?私は3年次編入学です。」
「根岸さんホントに?私も3年時編入なんですよ。奇遇ですね。」
「もし良かったらお茶でもします?」
「ぜひ。行きましょ。」
まさかの友達になれそうな人から声を掛けられて嬉しくなって、そのままカフェに入りランチをすることに。
話すと彼女は2児の母で、小学校低学年の娘さんが2人いて、既婚なんだそうだ。私は22歳、同じく大学3年の息子を持つシングルマザーだと話すと、
「そんなに大きな息子さんがいらっしゃるんですね、若いのに。」
と驚かれる。
「私はアラフィフだよー、今年で45だもん、若くないよ。綾子ちゃんは?」
「37です。実は大学にも通ってて、社会福祉士と精神保健福祉士を目指してたんだけど、国試がダメで再チャレンジしようと思って。実習免除ではあるんだけどね。社会人大学生で、就労移行支援の仕事してます。百海さんは?」
「私は7年半くらい介護福祉士として社員で働いていたんだけど、今は障害者のグループホームと兼任で、同じ事業所で移動支援のバイトしてるよ。」
「そうなんだ、じゃあ社会福祉士と精神保健福祉の資格取得したら、トリプルライセンスになるね。お互い頑張ろうね。」
「そうだね。頑張ろう💪」
お互いにLINE交換をして帰路についた。
通信大学てまさか、入学式の日に友達が出来るなんてとちょっとこれからのキャンパスライフが楽しくなるかもとちょっと嬉しくなった。
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