●シーン18:アタシの名前は(PC②) ◆解説

●シーン18:アタシの名前は(PC②)

◆解説

 PC②のエンディング。N市より帰還したクチナシとのやり取りの中で、彼女から本当の名を告げられる。


▼描写

 PC②。君は現在自身のセーフハウスのひとつである一軒家を訪れていた。

 コールドウェル博士への報告も既に済ませ、当面の急ぎの案件はない。

 つまり、束の間の休みというわけだ。

 マスターレイスの名を関するとはいえ、自分もクチナシも人の子である。

 少しくらいの休息ぐらいではバチなど当たるまい。クチナシは己の能力の一部である機械蜘蛛のメンテを行っていた。


▼セリフ:クチナシ

「ぁ~……結構ガタ来てんな。まぁ無茶に扱ったから仕方ねぇか」


(PCの反応を待って)

「あ、マスターの手を煩わせる程じゃねぇよ。ほら!」


 クチナシが取り出したのはダンボール。しかし、中から大量の機材やガラクタが放り込まれていた。


「おっちんだマスタースレーブの所持していた信号増幅装置とか諸々ぶんどってきてやったんだ」

「希少な部品がたんまりゲットできたからな。これで暫く補給無しでも大丈夫ってわけ!」


(PCの反応を待って)

「えへへ……あのさ、マスター」

「お願いがあるんだけど。今、いいかな」


(PCの反応を待って)

「あの……えっと、アタシの名前ってさ、偽名なのはわかるじゃん?」

「クチナシ。“死人に口なし”とか、花のクチナシとか、色々連想させられる名前だろ?」

「でもさ、これって前のマスターから付けられただけで、これがアタシの本名ってわけじゃない」

「アタシがいるのはFHだから。気を許せばいつ殺されるかもわからない環境下で、自分の名前をひけらかすのが怖かったんだ」

「でも、マスターは。今のマスターは違うってわかったから」

「だから……マスターだけでもいいからアタシの名前を覚えておいて欲しいなって」

「どう、かな」


(PCの反応を待って)

 深呼吸して、彼女は己の心を整える。

 FHにとって、仲間とは一時の共闘関係に過ぎない。利害関係が一致してる間だけの、仮初の絆。

 しかし、クチナシ。いや、眼前の少女はその垣根を乗り越えようとしている。

 一度踏み込めば、もう二度と戻ることはできない。


黄倉おうくら……」

「黄倉、陽毬ひまり。それがアタシの本当の名前」

「もう親の顔も覚えてないし、名字とか殆ど意味ないけど」

「でも、マスターにはアタシの本当を知っておいて欲しい」


 いつも何処か怯えた様子だった少女は、一歩君に大きく踏み出した。

 君と一緒に居たいと願うその視線は強く真っ直ぐ揺らぎない。

 さぁ、君はこの信頼にどう応える?


(PCの反応を待って)

「~~っ……ありがと、マスター! 大好きだぜ!!」

「これからもよろしくな!!!」


◆結末

 PLにやり残したことはないか確認し、問題なければシーンを終了する。

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