ハンドアウトシーン

●PC①:それは少女のナミダ

●PC①:それは少女のナミダ

◆解説

 他のPCの登場は不可。PC①が榛名愛花の願いの吐露を受け取るシーン。

 彼女は自らの身体の中に「アナムネシス」と「解放のインフィニティコード」が眠っているのを知っている。その覚醒を防ぐためにマスタースレーブの放ったジャームから逃れていたのだが、それももう限界だ。

 覚醒の光が収まった頃、榛名愛花がPC①の身に何があったのかを説明し、改めてPC①へ助けて欲しいと相談を持ちかけてくる。彼女は自らの「普通になりたい」という欲望を吐露して、涙ながらにPC①へ助けてと訴える。

 PC①が少女を助けることを決めたらシーンを終了する。また、シーン終わりに少女は気を失ってしまう。


▼描写

 あの時、彼女の「助けて」の願いへ思わず手を差し伸べた時。君たちを眩い光が包み込んだ。

 光が収まったのを確認して瞼を開くと、少女は憔悴した様子で独り言を呟いていた。


▼榛名愛花

「あ、アナムネシスが発動した……私、またやっちゃった」

「関係ない人を巻き込んで、またジャーム化させて!」

「……」


(PCの反応を待って)

「あれ、ジャーム化してない……!?」

「ね、ねぇ。あなた、自分の身体とか、どこか変じゃないの?」


 そう問われて自身の様子を観察すると、確かに己の中のレネゲイドウィルスが活性化しているのを自覚できるのと同時に、強力な力を得たと感じられた。

 しかし、これは暴走を伴う危うい力でもあると直感的に確信できる。


(PCの反応を待って)

「そっか、よかった。あなた、アナムネシスに適応できる人なんだ」

「…………」幾ばくかの静寂の後に、少女は口を開く。

「なんで、さっきは私のこと助けてくれようとしたの」

「私、あなたに何も返せない。お金もないし、アナムネシスの力も自由に使えない」

“普通まともじゃない”の」


(PCの反応を待って)

「……榛名はるな愛花まなか

「名前」

「君は?」


(PCの反応を待って)

「PC①、くん(ちゃん)……うん、よろしくね」

「ぇへへ、なんか普通っぽい」

「普通な、自己紹介で。ごく普通な……」


 その言葉は最後まで声にはならなかった。その代わりに、目尻から一筋の涙が零れ出る。


 ──これが、少女と君の間に取り交わされたやり取り。

 普通になりたいと嘆く少女との邂逅だ。

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