●シーン10:それは求めていたもの(PC①)

●シーン10:それは求めていたもの(PC①)

◆解説

 PC①情報収集シーン。PC①と榛名愛花が交流し、普通に縛られた彼らの葛藤を描写する。


▼描写

 君は愛花が目覚めたと聞いて仮眠室を訪れている。

 FH所属であるため、用心して扉には対オーヴァード用電子ロックが設けられ、彼女の重要度と異質さを感じられる。

 ロックを解除して入室すると、窓から外を眺めていた榛名愛花と目があった。


▼セリフ:榛名愛花

「あ、PC①くん(ちゃん)」


(PCの反応を待って)

「調子は大丈夫。力の反動でちょっと身体がだるいけど、許容範囲内」

「ここの支部長は優しい人だね、痛いのが嫌だって言ったら、出来る範囲で痛くしないでくれた」

「その……PC①くんもその、身体は大丈夫? 侵蝕率が下がらなくなってったりとか、しない?」


(PCの反応を待って)

「そっか。苦しかったら言ってね。私は、我慢だけは得意になっちゃったから」

「PC①くん(ちゃん)は、その、学校とか行ってるの?」

「私、幼いことにアナムネシスに感染してずっと監禁されてたから、全然外のこと知らなくて」


(PCの反応を待って)

「そっか、やっぱりそっち側は、普通にちじょうは素敵だね」

「私も、普通になれたら良かったのに」

「でも、疫病神みたいな私だけど、PC①くん(ちゃん)のためになれたのなら、少しだけ嬉しい」



(PC①が普通は嫌と言ったら)

「普通が嫌。……私からすると不思議な感覚」

「ずっと特別視されてきたせいかも。隣の芝は青く見える?ってやつ」

「PC①くん(ちゃん)は、どうして普通が嫌なの?」

「特別って、思っているよりも良いものじゃないかもしれないよ」


「ねぇ、PC①くん(ちゃん)。もし、さ」

「今回で自由になれたら、一緒に学校に行ってみたい」

「私自身が普通になれなくても、普通な生活っていうのはずっと憧れで、私の欲望なの」


(PCの反応を待って)

「ありがと」

「……楽しみだね、学校」


 えへへと無邪気に笑う愛花。

 彼女と出会った当初はもっと周囲を警戒してビクついていたのに。

 今は年相応で引っ込み思案な普通の女の子にしか見えない。

 きっと、彼女の素はこちらなのだ。


◆結末

 PC①と榛名愛花との交流が十分できたと判断したらシーンを終了する。

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