第二章:今更たちの珍道中
第6話:上司―メインヒロイン?―
『よくぞ参られました冒険者たちよ、あなたたちの勇気に感謝を』
謁見の間に響く声、玉座におわすその姿は
輝く銀髪と赤眼を持った麗しの乙女
彼女こそ、この中央都市ことハイカヴリウス王国の若き主導者にして
プレイヤー達の元締めとなるNPC
レラ・ブラン・ハイカヴリウス王女その人である。
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トシ曰く、数年前のアップデートで人気声優のボイスが追加され
メインストーリーがフルボイスになったという事で
ただでさえ美少女だった王女様が更に美少女と化していた。
というかKIYOSHIと凪は本当にこの導入すらやってなかった
出来ると言えば普通に出来る仕様ではあるのだが
この導入を熟さないと街道が封鎖されたままになって他の国に行けないので
―ハイカヴリウス王国の領土自体はそこそこ広いので雑魚モンスター狩りくらいは楽しめるかもしれないが―
やる旨味がほぼ無いから本当にやる人が居るとは思わなかった
道理で一年くらい前から始めている筈なのにレベルが低かった訳だ。
話を戻そう、王女様の話は続いている
ハイカヴリウス王国に隣接する六つの国に異変が発生した為に
救援若しくは問題解決に赴いてもらうという
プレイヤーの目的の説明。
悪く言えばありきたり、良く言えば王道の物語だ。
エクセレントリビアがMMORPGであるが故にシンプルであるとも言える。
『あなたたちの旅路に光有らん事を』
導入イベントが終わり、操作も可能になった
基本的には王女様が座って喋ってただけなので
特に特筆すべき所は無い。
そして王女様のメインストーリーでの出番の約八割がこれで終わった
そうこれで約八割の出番が終了してしまったのである。
一国の主である上にMMORPGでもあるが故に
美少女でありながらプレイヤーからの彼女への印象は極端に薄く
ハイカヴリウス王国の城下町が便利過ぎたのも仇となり
城に態々王女様に会いに来る物好きもごく少数とあって
ハイカヴリウス王国は中央都市と揶揄されそれで通じる様になってしまい
王女様に至っては
地味に異変を解決する毎に王女様への報告イベントが発生したりもするが
強制ではない上に貰える物も大体が店売りの品の為スルーされる。
というかイベントの存在自体を知らないプレイヤーの方が多いという……
花恋が妙に入れ込んでいて一緒に報告イベントをやっていた私ですら
そういえば王女様の名前そんなのだったなぁ…ってなっている辺り
相当であろう。
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さて王女様の説明通り、中央都市の周囲には六つの国がある。
そこで起きる異変を解決するのがプレイヤーの使命であるのは
前述した通りであり、何処から攻略しても問題は無いのだが
公式の設定においてはクリアし易い順番自体は決まっている為
今回はそれに基づいてメインストーリーを攻略していく事になった。
まず目指すは中央都市より東にある国
農業国家ディカブラー王国である。
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