第4話:遭遇―二つの二人組―
エクセレントリビアにはアバターの頭上にPC名を表示する
幾多のゲームに採用されている仕様が存在している。
全体チャットが届く範囲もそれほど広くはないのもあって
パーティを募っていたプレイヤーは割と直ぐに見つかった。
名前は先ほどの全体チャットにあった通りKIYOSHI、
外見としては
鎧のデザインからして恐らく男性アバターであろう。
早速コンタクトを取るべくこちらも全体チャットで呼びかける
▶カエデ:私達で良ければお手伝いしますが?
「うーむ…文字打ち込むの面倒臭い」
パソコンならキーボードが使えるのだが生憎と楓はゲームはゲーム機で派であった。
しばし待つと返事が来た
▶KIYOSHI:助かります
▶KIYOSHI:私たちは2人組ですがそれでもよろしいでしょうか?
「ん?2人??」
エクセレントリビアのパーティ上限は5人なのでその辺は問題無いが…
「居るわ楓ちゃん、そこのデフォ子」
言われて見れば確かにKIYOSHIの隣にひっそりと佇んでいた。
キャラメイクの際に何も変更せずに開始するとなる女性アバター
―デフォルトの女の子なので通称デフォ子―
の姿のプレイヤーが1人、名前は…なぎ?かな?
ともあれ別に人数的に問題は無い
―仮にKIYOSHIが提示したもう1人がそこのデフォ子でなくとも―
ので返事を返す
▶モミジ:私達も2人組なので問題ありません
▶モミジ:ここからは個別チャットの方が良いと思いますので
▶モミジ:とりあえずパーティに誘いますね
KIYOSHIのアバターの前でボタンを押し
現れたメニュー画面からパーティに誘うを選択し
―このゲームの良い所は誘った相手が既にパーティを組んでいる場合、その組んでいる相手にも通知とパーティ参加の是非が自動的に行く上にパーティの上限だった場合は注意までしてくれる点である―
程なくしてKIYOSHI…と凪という名のデフォ子がモミジのパーティに加入した。
「で、何処で話すかねぇ?」
流石にこれ以上この中央都市の往来で
―サ終が決まりプレイヤーが疎らとはいえ―
屯するのも迷惑であろうし
―個別チャットに切り替えるから別に気にする必要もないが―
何処かいい場所はないかとトシに何気なく振ったところ…
「え?…あそこがあるじゃん?」
「何処よ?」
「拠点」
「…え?待って、払い下げられてないの!?」
「俺が定期的にログインしてたから払い下げの対象にならなかったんだよ」
そうとあれば話は早い、トシに礼を言いつつ
待たせている2人にメッセージを送る
▶モミジ:ここではなんですので私達の拠点に行きましょう
▶モミジ:…と思いますが大丈夫でしょうか?
暫く待つと了承の旨のメッセージが返って来たので
2人を拠点に案内する事となった。
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