雨
開けた窓から雨が入り込んできて。
私の教科書を濡らしていった。
隣で目を細める彼の髪に、水滴を落として。
彼は物憂げに目を閉じた。
風が髪を巻き上げ。
彼の目が隠れた時。
私は確かに、彼の笑い声を聞いた。
午後3時11分。
私が知っている彼の最後の記録。
私が憶えている、彼の最後の笑い声。
何処か彼だけの国を。
遠くに見つめた雨の午後。
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