第29話:対アテナ戦

ブリッジの巨大モニターに武装した独立飛行隊がアテナに接近し、一斉射撃を行うシーンが映った




『うおっ!』




アテナの周囲から金色の光が出て、銃弾を全て受け止めていた。やがて金色の光が紫に変わり、そして射撃が止むと赤へと変わる




『ほう!これが100年後の武器か……なかなかやる……なっ!』




次の瞬間、アテナの両手から赤色の衝撃波が放たれ、独立飛行隊に直撃した




「第一防衛隊の被害は!?」




「8割の防衛隊が戦闘不能!衛生部隊が至急回収に向かってます!」




「なんなのあの攻撃と防御は!?」




「あらゆる衝撃から身を護るバリアです。金色が最高値の時の色で白が最低値の色。そして衝撃波はアテナが得意とする技です。100年前と全く変わってない威力ですね……」




悔しそうに私の問いに応えるツバキ




「第二防衛隊、第三防衛隊は別れて一斉射撃を行え!」




24名の防衛隊が重火器を持ち散開、そして数多の銃弾がアテナに降り注ぐ




『つまらん!つまらん!私は遊びたいんだ!』




赤色の光は変わることなく銃弾を受け止め、拡散された衝撃波が散開した防衛隊に直撃した




「9割の防衛隊が戦闘不能です!」




『艦長!まるで歯が立ちません!……ペイントマーク弾の許可を!』




衝撃波から免れた防衛隊の通信が響く




「うむ……。わかった。ペイント弾なら殺傷能力ゼロとしてシールドも発動しないはずだ。許可する」




「残存部隊はペイント弾に変更し、アテナに向けて射出してください!」




『了解!』




オペレーターの言葉と同時に防衛隊が重火器を捨て、大型の拳銃を装備しアテナに迫る




「ツバキ!どうやら君が生命線となりそうだ。カタパルトに向かってくれ」




「その言葉を待ってました!」




そう言ってツバキはブリッジを去ったのであった




「これよりアテナにペイント弾が当たり次第カウントレス誘導ミサイルを発射する!」




その言葉と同時に防衛隊がアテナに急接近し発砲した




『んげっ!不味い!なんじゃこのベトベトした物は!』




「今だ!ミサイル発射!」




「了解。カウントレス誘導ミサイル発射!」




オペレーターの発せられた言葉から数秒後、数多の小型ミサイルがアテナに迫った




『おおっ!これはまた懐かしい!!』




そう言いつつもアテナはミサイルから遠ざかるように羽ばたく




迫りくるミサイルの雨を弧を描いて避け、ジグザグに動いては避け、そのうち何発ものミサイル同士がぶつかり合い爆発する




『懐かしいが!ぬるい!ぬるいぞ!』




最後の数発のミサイルと共に急降下し地面すれすれで急上昇。行き場を失ったミサイルは関ケ原レース場の一部と接触し爆散したのであった




「関ケ原レース場に軽微な損傷!アテナは無傷で空中に舞い戻りました!」




「慌てるな。すでに手は打ってある」




その言葉と共に、アテナの元に何者かが突っ込み、彼女は大きく吹き飛ばされた




『ガアッ!』




そこには大剣を片手で持ち、アテナを鋭く睨みつけるツバキの姿があった




『ほう……お前、なかなかやるな。お陰でバリアが青から白に変わる所だったわ!』




『不死鳥アテナ!貴様を倒す!』




『その大剣……見覚えがあるぞ。100年前に見た奴、いや痛みを覚えた奴だな。もしかしてお前は……』




『私は独立飛行隊ツバキ曹長!100年前にお前の相手をした4人の勇者の一人、大剣のダリアの血を引く者だ!』




『ダリア!そうか!お前が勇者の血を引く者か!面白い!面白いぞ!』




「これが我々独立飛行隊の持っている最大の切り札だ」




艦長は勝ち誇った顔をしたのであった






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