第26話:空中防衛戦艦【アマテラス】
空中防衛戦艦【アマテラス】
日本で開発された数少ない空を飛ぶ戦艦であり、100年前の厄災以来日本の空を護る為飛び回っている
その戦艦のブリッジに私はツバキによって連れて来られたのであった
「艦長、翼人関係者をお連れしました!」
「ご苦労様ツバキ。あいつの予言は恐ろしい程当たるな……」
空色の制服を身に纏った長身の女性が豪華な椅子から立ち上がり、私達の元に歩いてきた
肩まで伸びた赤髪に整った顔立ち。鋭い目つきで私をジロジロと見てきた
「私は独立飛行隊0012番リコリス空佐だ。ようこそ我が艦へ」
そう言って艦長が握手を求めてきた
友好的な態度に驚くが、背後からツバキが銃を突き付けて来たので慌てて私は握手をする
「銃を収めなさいツバキ」
「はっ!」
背後で銃がホルスターに収められる音がしたので、私は肩を落とした
「さて、何故君が翼人関係者と解ったか?不思議に思わないかね?」
そういえばそうだ。私は普通にレースをしている飛行少女。しかも半翼人となって日が浅い
なのに、何故ばれたのか?
「私の部隊に恐ろしい程よく当てる予言者がいてね。そいつが予言で飛行少女が翼人化するという稀有な事を言い出したのさ。それで可能な限り、私は全ての部下に飛行少女の監視をさせた。これが答えだ」
「なら何故私なのかしら?私はただの飛行少女よ」
「ほう。ただの飛行少女ね……。ただの飛行少女はあの過酷な長距離レースで汗ひとつかかず、疲れた様子を見せずにいられるのかな?」
「……タウリンのおかげと言ったら?」
「まだとぼけるのか?……先ほどのレースで眼が熱を帯びなかったか?そしてお前の瞳の色はいつから赤くなったんだ?」
私はその言葉に慌ててスマホを開き、インカメラを起動する
なんて事はない。いつもの黒色の瞳だ
「おい、自分の瞳の色を忘れたのか?」
「騙したわね?」
「騙して何が悪い。それとその慌てようは黒と言ってるのようなものだぞ。それとお前の瞳が赤くなったのは本当だ。レースの終盤でお前の瞳が変わった事は、レース映像を見返してみれば解る」
「隊長、コイツは多分半翼人の特徴を知らないと存じます」
「そうだろうな……。」
特徴?フィオナさんから大体教えられたけど……
「半翼人の特徴として身体向上行動を行うと瞳が赤くなる。非公開であるが、これが半翼人と飛行少女の違いだ。ちなみにこの事を知っているのは一部の超能力者だけだ。さて、もう一度聞こうか小鳥遊。お前は半翼人だな?」
「…………ええ」
ごめんレイナ。私の命もここまでのようだわ
「やっと認めましたか。艦長、今すぐ処刑を……」
「待て曹長。あいつの、ザクロの予言には続きがある。半翼人を捕獲し、殺さず利用し厄災に備えよとな」
「ザクロ士長がですか?」
「ああ、だから殺すな。丁重に軟禁したまえ」
「了解しました」
「では曹長、あとは任せたぞ」
こうして私はこの戦艦に軟禁されることが決定したのであった
戦艦内をツバキに銃を突き付けられながら歩く
「噂には聞いていたけどかなり広い戦艦ね……」
「当然です。厄災の再来に備え、我々はずっと警戒して来たのです。この戦艦アマテラスも100年前と違い、装備もシステムも最新鋭の技術を備えています。主力の対艦ビーム砲にカウントレス誘導ミサイル、一度に12名の飛行少女を射出出来る専用カタパルト等を備えた日本一優秀な防衛兵器です」
「なるほどね。あと娯楽施設はないの?」
「飛行少女達はお年頃な子が多いので一通り揃ってますね。もしかして利用する予定ですか?」
「もちろんよ。だってこれから軟禁生活になるんでしょ?利用させなさいよ」
「ええっ!?……肝が据わり過ぎでしょ。と、ここがあなたの部屋はここですよ」
2階の端にある無機質な扉。ここが今日から私のマイルームになるみたいだ
「部屋はダブルベッドで一番広い部屋にしましたので、それではどうぞお入りください」
そう言ってツバキは扉を開ける
「ホープ!」
扉が開いた瞬間、私の大切な花嫁、レイナが飛び出してきたのであった
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