再会
「お兄ちゃん、これ私が焼いたクッキーね!いい匂いでしょ?
焼きたてだからおいしいよ~」
妹の雷華がクッキーを焼いてくれた。
現に部屋中は甘くて良い香りで十分に満たされていた。
「ありがとうな雷華、良い香りだな!
どれどれ。美味いな!香ばしい小麦粉の香りとバターの風味・・・包み込むような甘さが絶妙なハーモニーを奏でているッ!
絶妙なサクサク食感、手に取った時の軽さ、可愛らしい型抜きどれも素晴らしい!
これは傑作だな雷華ッ!!どんどん上手くなってるんじゃないか?料理。
・・・・・・そして、何故いるんだ一ノ瀬。」
「いやボクとの扱いの差ッ!!そんなセリフをクッキーに割くのッ?!
久しぶりの再会なんだから、ちょっとくらい驚いてくれてもいいのに・・・」
一ノ瀬がその小さい右手を可愛らしく頬にあてる。
そしてすかさず左手でクッキーを掴んでぱくっと食べる。
「・・・家に来てもいいけどさ。本当はうちの学校来て欲しいくらいだったんだぜ?
変なヤツに絡まれてるし・・・まぁなかなか気に入ってるんだけどさ。」
「いやそれは・・・凜の新しい学校は新宿区じゃん?
そのぅ・・・千代田区から出れない理由がちょっとあってさ。」
なかなか尻込みするように一ノ瀬は言う。
縮み込むようまった感じでちょっと可愛らしかった。
こういう仕草を本能的にできるんだって言うなら、ほぼほぼの女子ってヤツがみんな小動物を目指すのも頷ける次第だ。
「まぁゆっくりしてけよ。それになんかちょっと・・・可愛くなったな。」
「え、可愛い?!!ボクが・・・?」
「ああ~今ので台無しだね!無かったことにしてくれよ!」
「いつも凜は適当なこと言うよね?そんなんじゃあモテないよ。
中学でモテてたんだけどな・・・ちょっとハーフっぽいし。」
今になって損を感じさせる事を言ってくるんだから、ちょっと嫌だよな。
別に当時は取るに足らない事だったはずなのに。
「はあ、もう少し早く言ってくれれば良かったんだけどなぁ。
ま!どっちみち寝てたし、あんま関係無いけどな!」
「適当ッ!!確かにあんまいい事無いけどね……ボクがいれば……」
そういって一ノ瀬が頬を赤くする。
雷華・・・?なぜちょっと怒っているんだ?
ちょっとしたイライラがこっちまで伝わってくる。
「あのぉ、一ノ瀬さん。いい時計してはりますねぇ。」
雷華ッ?!なぜ京言葉を使うんだ?!
確か・・・時間気にして早く帰れ的な意味だったような・・・ッ!!
「まぁまぁ、雷華もそんなこと言わずにさ。
そういえば一ノ瀬と俺が最初に出会ったのっていつだったっけ?」
「それは・・・・・・・・・・・・・・・」
『現在、アメリカ・ニューヨーク州でダンジョンからモンスター達がダンジョンから溢れ出しています。この現象は世界で初めてということで専門家達は議論を続けていますが、今のところ結論は得られないとのことです――
もし同様のケースが起こった場合、街中でモンスターを見かけた時は一刻も早く日本ダンジョン協会、または警察へとご連絡ください。』
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沢山リアリティの指摘があったので、凜について現在のレベルを561。
それに伴ってグランのレベルを現在、1301に引き上げました。
ロードの文字も公という漢字を置き、できるだけ矛盾が出ないようにしました。
前々から見て頂いている方、本当にすみません。
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