久々の家

『レベルが上がりました。』


 実は急に慣れない現代に来てしまったグランにも家に来てもらうつもりだったのだが、断られてしまった。

 

 なんか・・・「友人の魔力反応がある!!」とか興奮してどこかに行ってしまったが、俺には関係ない。

 まぁ心配だったのでスケルトンとスライムの魔石130個を換金して手に入れた三万七千円のうち何かあった時の頼みの綱として一万をグランに渡した。

 

 爺さんは・・・身分証もないはずだけど大丈夫かな・・・?

 飯も睡眠も必要ないとは言っていたが心配ではある。

 とりあえず、二日後いつものダンジョンで待ち合わせる事にした。


 それはさておき、今回は魔石の査定が高かった。

 全くダンジョン様様ということだ。

 なので俺は今、妹の雷華と一緒にのんびりしている。


「・・・それでさ、私ダンジョン実習でステータス貰ったんだよね。」


 ダンジョン行ったばかりであんまり聞きたい話題じゃなかったが、雷華は女神のような美少女の笑顔で相殺してきた。

 これは俺じゃなきゃ惚れてるね!!全く。


「それで、ユニークスキルっていう珍しいスキルもゲットできて・・・」


 ユニークスキルだと!!

 我が妹ながらやるではないか。

 "ユニークスキル"ってのはグラン曰く同時にたった一人しか所有できない強力なスキルらしい。


「まじか!凄いな!!で、どんなユニークスキルなんだ?」


「ユニークスキル『嫉妬エンヴィー』って言って、大罪系以外の対象スキルをコピーできるってステータスに書いてあった。」


「とんでもねえな!超強いじゃん・・・なんか自信なくすなぁ。」


 俺はちょっと落ち込んだ。

 そもそも家庭の助けになりたかったのもあって探索者になったのに妹の方が強そうなスキルを持ってるなんて・・・・

 というか大罪系って七個あるラノベで見るヤツか?

 俺の『怠惰スロウス』とも関係あるかもしれない。


「いやいや、お兄ちゃんはすごいよ!探索に行く勇気もあんまりないし・・・

 大体、モンスターも怖いし・・・。」


「それもそうだな、モンスターとか危険そうだしなんか・・・近づきたい感じでもないよな。雷華が弱くてもお兄ちゃんが強くなって守るから安心しろよ。」


 危なかった!

 妹がモンスター怖い系女子で良かった!!

 これは・・・兄の威厳をギリ保てたかな。

 これなら絶対強くならなそうだからしばらくは安心していいな。


 

 

「ありがとうお兄ちゃん。でも私、今決めた!

 卒業したらお兄ちゃんと一緒に冒険する。

 放っておけないし、私が付いていなきゃ・・・ダメなんだから!」


 雷華は頬を赤らめながらそう強く言い放った。

 ・・・どうしてこうなった!!

 強くなったらさらに頭が上がらなくなってしまう。

 


 ・・・その日は疲れていたので、いつも通り毛布を被って爆睡した。

 


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