魔法の習得

 親睦のBBQも終わり、俺らは片づけをする事にした。

 グランは並々ならぬ魔術師なので『生活魔法』も楽々みたいだ。

 とくに金網を『洗浄ウォッシュ』で掃除するのは見ていて爽快だった。


 ゴミはゴミ袋に入れ火魔法『燃焼バーニング』で焼却。

 ゴミを勝手に燃やす・・・いったい法律はどこいったんですかね。

 確か生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却は大丈夫なはず・・・だけどそれにしても非常識というものだ。


 ところで他のダンジョン探索者はいちいちゴミを持って帰っているのか?

 火魔法使いがいないとゴミ背負って探索することになるぞ・・・コレ。



「ねぇ、魔法ってどうやったら使えるんだ?グラン。」


「む、おぬしに適性があるかが全てじゃな。無ければ一生使えぬし『ユニークスキル』のような強力な効果は見込めない。

 所謂『凡人の兵器』、それが魔法じゃ。

 ただ時に天才を殺すこともあるんじゃがのう・・・

 儂はユニークスキルが魔法に特化していたから頑張っていたが・・・おぬしはやる意味があるのかは不明じゃ。」


「そうなのか・・・?まあ夢のある話だし。そもそも明らかに便利なことはさっきの片づけで証明されていることだし。

 天才を殺す・・・か。流石賢者だな!で、どうやったら適正がわかるんだ?」


 俺が好奇心から魔法に心を躍らせている状況にちょっとグランは渋い顔で困惑気味のようだ。前世では弟子とかいなかったのかな?



「・・・この杖に触れてみればわかるのう。はい、どうぞなのじゃ。」


 俺が杖に触れると、杖がパアッと光る。

 杖の先に埋め込まれた水晶を見るとこれは深い黒色。


「おぬしの適正は闇魔法のようじゃな。闇属性って・・・お主魔族だったのか。

 しかし・・・髪の色は明るめの茶髪じゃし・・・魔族らしくないな。」

 

「俺は人間だからっ!母さんも茶髪だしそりゃそうだよ。で、これで魔法がつかえるようになったのか?」


「うむ。適正魔法がわかったからの・・・最初は簡単な『闇球ダークボール』じゃな。」


「『闇球ダークボール』・・・?」


 俺は疑問のまま口にすると掌に魔力が集まりボール大の黒い球が出来た。

 放出を念じるとさらにボールはダンジョンの壁に向かって進む。

 壁にぶつかると凄まじいエネルギーが辺りに伝わり、再び爆風として帰ってきた。


『スキル『闇魔法』を獲得しました。』

『称号:『魔王の子』の特殊条件を満たしたことを確認・・・』

『耐性:『魔法攻撃』を獲得しました。』


 闇魔法ゲット。なんかロマンあるな。

 特殊条件ってなんだ?初めて魔法使ったからか?

 耐性も手に入ったのがデカいな。探索が有利になる。


「お主・・・・魔法の才能があるの・・。こんな事魔法を覚えたての少年が出来ることではないのじゃ。って・・・儂の小さい時もそんなこと言われた気がするのう。」


 めっちゃ褒めてくれてると思ったら自慢だったのかよ!

 でも、グラン程の魔術師だったらそんなことの一つや二つ言われていたのだろう。


 なんか最近思い知らされるけど人生そんな甘くないなぁやっぱり。

 褒めてくれたのは嬉しいんだけどさ。


 でも、今できることをやろう!すべては偉大なる安眠の為に。

 

 

『レベルが上がりました。』

 


 

 

 


 


 

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