ワイト
宙に浮いたままワイトは10メートルほど上から語り掛けてくる。
今のステータスなら届かないこともないが、距離が離れすぎていて多分躱される。
「躱スカ・・・・。褒美にオシエテヤロウ。
儂はスキル『全言語理解』をモッテイル。」
『全言語理解』ってあれか。勇者召喚モノでよく聞くアレ。
てことはこやつは外国か異世界産だな。
「話せるなら無理に戦わなくてもいいんじゃないか・・・?
別に特段俺を攻撃したって旨味なんてないだろ?
人間に恨みでもあるってんなら別だけど。」
と、至極当然のことをワイトに伝える。
なんで話の通じる相手とわざわざ殺りあわなくちゃいけないんだ?
しかもコイツ・・・気味の悪い骨の身体以外は別に忌避感は感じない。
なんか情報も教えてくれたし。
「カッカッカッカッ!!儂と交渉をノゾムかぁっ!
シカシ、それはムリだ。ショウネン。
ワシは既に魔族『ゲルド』のケンゾク。メイレイに逆らうコトはデキナイッ!!」
そう言うとワイトはまた火魔法『
今度は危ない。さっきの比じゃなく物凄いスピードで魔法は凛に襲い掛かる。
懸命に魔法を躱しながら凛は思う。
ヤバいな。コレ。
てか、ゲルドって誰だよ。・・・いや今はそんなこと関係ない。
ライムも攻撃の余波だけでも結構ダメージを受けている。
ワイトと俺らだけでなくまわりのスケルトンたちもいつ動き出すかわからない。
大ピンチ・・・!!
逃げた方がいいか?
いや、冷静になろう。大体宙に浮いているワイトからどうやって逃げるんだ?
俺ができる事は何なのか。
1:ライムの触手であいつを捕まえて地上に降りてきてもらう。
2:とりあえず、テイムしてみる。
2に関しては、まだテイム条件がわかってない。
おそらくライムの時は俺に怯えていた。
感情的なもの・・・あるいはステータスやレベルの差だったのか?
未だつかめてないの現状だ。
つまり極限の今選択するのは・・・・1番!!
「ライムッ。触手を伸ばしてあいつを地上に落としてくれ!!」
「キュイッ。」
勢いよく返事をするとスライムロードのライムはユニークスキル『変幻自在』を使って、体を触手状にする。
そして上空10メートルまで触手を伸ばすと、ワイトの腰に括り付ける。が・・・
「チョコざいナ。闇魔法『
闇魔法『
これは触れたら即死レベルの強力な毒を生成する魔法だ。
しかし、ライムは状態異常耐性を持っていたので致命傷にはならなかった。
「キュイッ・・・!!」
ワイトをとらえた触手は、空中のワイトを容易く地上に引きずりおろし地面に叩きつける。
そこから俺はワイトに急接近し、まず本気で顔面に一発。
そこから胴に蹴りも一発入れてから様子を見るために少々下がる。
「やったか・・・・?」
ワイトの骨で出来た身体は粉々になったのだが、段々と再生を始めている。
・・・・・死霊系は厄介だなやっぱり。
ここからどうするか?
ワイトは宙の機動力にも長けた凄まじい腕の魔術師だ。
俺にはもう2番の選択しか残っていなかった。
それにさっきヤツは魔人の眷属だと言っていた。
『怠惰』の説明に書かれていた『堕落』という言葉の意味に沿って使うなら・・・
「ワイト!俺の従魔になれ!『
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