第3話 最近、委員長に目をつけられている。

「ふぁぁぁ。眠い。」


 謎のレベルアップ通知で眠れない日々をすごしていた俺は、今日の日も欠伸がでてしまう。


 朝のホームルーム前。


天瞳てんどう君、君ってやつは。いつも欠伸あくびをしているじゃないか!!

 どうしていつも寝てるのにそんなに欠伸がでるのかボクは君のことが不思議でたまらないよっ!」


「一ノ瀬か。いやこれは事情があってだな・・・。」


 低身長でボクっ娘。

 一ノ瀬芽衣は可憐な少女ではあるが、いつも眠気の収まらない様子の俺に不満をいって時々突っかかってくるのだ。


「言い訳はしない!いい? 

 君には誇り高き聖華学園の生徒としての自覚が・・・(省略)

 ボクは委員長としてこのクラスを・・・(省略)

 ・・・うんうんそういうこと。ボクのことをよくわかってるじゃないか。」


 2時間コースの説教をヨイショしまくりなんとか纏めることに成功。

 すんなりいきすぎてなんか可愛く見えてきたぞコイツ。


「と、とにかく授業中は我慢すること。

 寝るのもだめだからね!」


 なぜか頬を赤くして可愛らしく怒る一ノ瀬。

 適当に返事をすると一ノ瀬が自分の席に去っていく。

 と、また通知が聞こえた。


『レベルが上がりました。』


 とにかくこれに悩まされている僕だが、ややこしくなるのも億劫だったので結局誰にもこのことを言えずにいた。

 しかしながら、連日の不眠に耐えかねてかこの日の身体は一日中寝続けることを許した。3日ほど寝れていなかったからな。

 衝撃の全授業寝飛ばしという前代未聞の偉業を経ていた俺は気付かなかった。


「ふぁぁぁあ。よく寝た!気持ちがいい。

 もう夕方の六時かよー。

 ん?人がいない。いつもは部活の人がいるはずなんだけど。」


「陸上部とかは外で練習してるはずなんだけどなぁ。」

 そう思って窓から校庭をのぞいてみる。



 ・・・・衝撃で思わず絶句してしまった。





「・・・・あれ、ダンジョンじゃないの?」

 

 夕焼けに輝く空はなんとゲームでお馴染みの"例のヤツ"を照らし出していたのだ。



『ステータスを取得しました』


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