短歌『幾星霜』お題:星

星霜せいそう

るも得難し

かしこしぞ

けふもさつきも

あやめを分かず


[意味]

歳をとったというのに、なかなか頭が良くならないことよ。

(昔であっても)今日であっても5月になっても

(分別がないので)あやめ(植物の名)を見分けることもできない。

【学問と人間関係を読んだ歌】のつもりです。だって両方難しいじゃないですか……


遊んだところ

1. あやめ、しょうぶ、かきつばた、は皐月さつきごろに似たような姿形をして、同じような色合いと形の花を咲かせる。(花札にも「あやめ」が出てくるのですが、調べたらどうやら元ネタとしては杜若かきつばただったとかなんとか。ちなみに元ネタは『伊勢物語』、在原業平の東下りの歌)


2. 文目あやめを分かず→【物事の区別がつかない】の意味の慣用句。辞書によって最後の部分が、「知らず、分かぬ、分かず」と意味合いはほぼ同じでしたがバリーエーションがあったため、作者の感覚で分かずを採用。


3. けふもさつきも→さつきは「5月」で現時点(2/23)からすると未来。そして「先(さつき→さっき→さき)」で以前を意味する。30分前、みたいな近しい過去の意味合いよりも、「先の~では」みたいなもっと昔を表す感じで使いました。そのつもりです。(間違っていたら申し訳ありません)

けふ、は言わずもがな今日(つまり今)。


4. (5.と関連あり)

 イ、星霜→年月 だから 経る(現代語では「へる」と読みますが古語では「ふる」なのです)


 ロ、星 →天体 だから ふる(降る)

 言葉遊びです


5. 経るも得難し(ちょっとした遊び)

→(お題「星」にかけて)流れ星的なイメージ。落ちてくるけど取れない。【まぁ、燃え尽きずに落っこちてくる方が嫌ですけどね……】

 これも言葉遊びです。


──おはり──


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