第18片

 「は?」

デイドリームは夕焼けの中のいい感じのムードをぶち壊すように返事をした。カラスの鳴き声がそれを後押しする。少し雨も降ってきたようだ。


 「、私たちなら世界を救えるんだって言ってるの!」


 何か起こったように夢香が言った後しばらく沈黙が流れ、デイドリームが答えた。


「……どうやって?」


 「それは……2人で考えようよ。頑張ろう!」

夢香が拳を固めた。夢香は微笑む。


 「ちぇっ!なんだよ。結局感情論かよ。」

デイドリームは近くにあったゴミ箱を蹴りながら言った。ゴミ箱が倒れて中身が溢れる。すると、中から緑色の目をした不思議な犬が出てきた。リアムとは違う不思議なオーラを感じる。


 2人は唖然としているとその犬が道路に入っていく。


 「「あっ!危ない!」」

 夢香とデイドリームは慌てて、犬を追いかける。


 犬は車にかれそうになる。デイドリームは目を瞑り想像しようとしたが、出来なかった……夢香はタラレバを想像した。

[もし、犬が透明で車をすり抜けたら…]


 間に合わないと思ったその時、本当に犬が車をすり抜けたのだ。


 「「えっ?」」

2人が驚いたように息を呑んでいると、構わず犬は路地裏に進んでいく。2人は好奇心を掻き立てられて、その犬に走ってついていく。


 狭い路地を抜けると、そこには不思議な家が一軒立っていた。鍵は閉まっているようだ。だが、犬はその不思議な家に入っていく。


 やっぱり物をすり抜けられるようだ。犬が家に入っていった。


 2人は顔を見合わせる。犬が家の中へ入っていくと、勝手に扉が開いた。


 2人はびくびくと怖がりながらも、好奇心に背中を押されて入っていった——

 

 さっきまで綺麗な夕焼けの空はもうないようだ。昼間のうす暗い空が2人を包んでいる。

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