第4話 リナの仕事
わたしはリナ。
最近、フィルが少し変わった気がする。
今日は、スライムをティムしてきたなんて言ってたし。
何か心境の変化があったのかな?
わたしは、戦うのは苦手だ。
一応冒険者登録はしているけど、最近はほとんど活動をしていない。
わたしの能力は回復魔法なので、怪我の治療をする仕事をしたい。
コンコン
今日も家にお客さんが来た。
口コミで怪我を治しにやってくるのだ。
お陰様で、家でも仕事が出来ている。
傷を治すと、みな感謝の言葉をかけてくれてやりがいがある。
お金はそれなりに頂いている。
今日のお客様は男性の冒険者だ。
わたしは冒険者の腕に手をかざした。
『ヒール』
淡い光が腕を包み込む。
直ぐに傷はふさがった。
そんなに傷は深くなかったようだ。
「今回は、無料でお願いできないかな?」
最近よく来るお客さん。
冒険者みたいだけど、お金に困っているように見えない。
腰に剣を差してマントを羽織っている、指輪とかネックレスとか装飾品も多い。
困ったな。
「少しでも頂けると有難いのですが・・」
でも、あまり強く言えないんだよね。
はっきり断った方が、良い様な気もするんだけど。
にゃ~
フィルの家の猫が来た。
ぐるぐるとわたしの周りをまわっている。
猫は気まぐれだからな、羨ましい。
「・・・」
冒険者の男性が、おもむろに革袋からお金を取り出した。
何だ、払うんじゃない。
わたしは安心した。
あれ?ちょっと多いかも・・。
まぁいいか。
冒険者の男性はお金を置くと、さっさと立ち去ってしまった。
何だったんだ?
わたしの隣で灰色の猫が
**
僕は今日あった出来事を、リナから聞いていた。
「あ~魔法か・・いやなんでもない。まぁ払ってくれて良かったじゃないか」
レイシアが何らかの魔法を使ったに違いない。
リナが困っていたようだし助かった。
「レイシア、魔法を使った?」
リナが帰った後、レイシアに話しかける。
「困っていたんだから、人助けなんだし良いじゃないの。バレないから大丈夫よ」
「そのうち、バレてもしらないからな」
まぁ、バレたところで大丈夫なような気がするけど。
リナは一人で仕事をしている。
こういう時、用心棒の男性がいた方が良い様な気がするんだけど。
以前、そんな話をした記憶がある。
だけど
「だったら、フィルがいてくれればいいよ」
とか言われたな。
もしくは、どこかに所属して働いた方が良い様な気もするけど。
僕がいたら、働きにいけないし強くないから用心棒には向いてないと思うんだけど。
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