第14話 更にさまよう者達
『コーディングを始めるぜ!』
オブジェクト:『俺』『
そして、上記以外の『
変数:『
そして、変数の再定義だ。
『
そして分岐条件、
もし、『俺』が『敵』に狙われ
かつ、『
さらに『敵』の数が『2』を超えるとき
『俺』の『敵』を攻撃する。
そうではなく、『
その『敵』を攻撃する。
それ以外の場合は、
近くの『敵』を攻撃する。
まずはこれで様子を見よう。
書き換えはいつでも出来るからな。
「さぁ、実行だ!!」
眼前に世界が戻る。
俺に攻撃していた『
すぐさま向き直り、目の前の『敵』を攻撃する。
『敵』は抵抗をすることもなく、
一撃で切り伏せられた。
そして、他の『敵』は『
ただ一心に俺を狙う。
つまり、こいつらの標的は『俺』でしかないということだ。
相手にとっての『敵』の定義は『俺』だけなのだろう。
これなら簡単に終わるな。
一方的に攻撃が出来る『
あっという間に敵の数を減らしていく。
『俺』を狙おうとする『敵』達は後ろから
ただただ切られていくだけだ。
俺は時間を稼ぐだけでいい。
積み重なるは無数の骨たち。
文字通り『
「思ったより簡単に終わりそうだな」
十数分経った頃くらいか。
数十を超えた『敵』はもう十数人まで減る。
だが、某アメフト漫画でも言われていた言葉だが
良すぎるとロクな事がねぇ
急に全ての『敵』が魂が抜けたかのようにその場に崩れる。
俺の『
ってことは……やっとお出ましか。
─────ヒヒーン。
いななきが聞こえた。
─────パカラッ、パカラッ。
小気味よい足音が近づいてくる。
軽快と言えば軽快。
だが、軽すぎる。
─────ザッ、ザッ、ザッ。
動きを止め、歩いてきたそれは『骨の馬』
またがる者は、ボロボロでも一目でわかる
高貴なマントを羽織る骨の剣士。
今までの奴らとは違う立派な剣を差している。
「さしずめ
馬上じゃ簡単には触れない。
そもそもやり合えるのか?
俺が読んでた漫画じゃ騎手には騎士じゃ勝てない
って言ってた気がするのだが?
俺はコードを書き換える。
オブジェクトが変わった以上、変えないと避けられない。
この判断は正しかった。
コーディング画面から現実に戻ってすぐ、
馬も
この攻撃はかわすことが出来る。
だが、自動反撃の攻撃は届かない。
身体は動くが回避行動の後では間に合わないのだ。
何度も何度も攻防は続くが、
状況に変わりはない。
「せめて、後一手。
だが、この場には俺と
それに、このままだとまずいかもしれない。
こいつはさっきまでの雑魚とは違う。
俺の攻撃を学習しているそぶりが見える。
一体に絞ったゆえに、命令の複雑化が出来たのかもしれない。
ダインスレイヴの時もそうだったが、
プログラムの実行は『不可能なこと』は『出来ない』
処理は走るが、結果は保証されているわけじゃない。
『クソトカゲ』こと『バームダイン』に勝てたのは、
アイツがのろまだったからだ。
少しずつ、避ける間隔が狭くなっていく。
そしてついには……。
「っつぅ!!」
刃先が俺の腕をかすめた。
ただの骸骨なのに心ばかりか表情が変わった気がする。
『もう、お前が逃げるのも終わりだ』
というかのように。
だが、それは奴の言う通りだったのかもしれない。
状況が変わったからだ。
「フレアアロー!!」
響く、聞き覚えのある女の子の声。
大きな火球が
ボロボロだったマントは燃え上がり、
「お待たせ! 遅くなってごめんね? 僕が助けに来たよ!!」
そう言って俺の前に立ちはだかる少女。
ゴスロリのふわふわフリルの少しエッチな黒い服。
白と黒を基調とした赤い宝石の埋められた杖。
長い銀髪を両サイドで束ねたツインテールの少女
「君は……!」
少女は振り返っていった。
「リータ、参上だよ!!」
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