第11話 森林をさまよう





 辺りは真っ暗になっていた。


 この世界の街道には電灯とかいう概念はないようだ。

 街道は真っ暗。何も見えない。


 気づけば俺は街道を外れて歩いていたようだ。

 苦難が過ぎる。


 だが、文字通り光明が見えた。


 なんと、少し離れた空に明かりが見える。

 おそらくあの方角に進めば何かがある!!


 だとすると安心で元気も出るものなのだが、

 やはり現実という奴は俺を毛嫌いしているようだ。


 光を目指して歩いていたらどうやら森につく。

 そして、入り口には看板が立てられていた。


『危険 現在この先ダンジョン。グラム王国へは街道へと戻るべし』


 ……戻れたら戻っとるわ。


 俺は少し考える。

 

 まぁ、死んでも今なら復活できるし、

 流石にあのクソトカゲよりも強い奴はおらんだろ。


「いってみっか!!」


 そう結論付けて森へと進む。



 夜の森が知るはずもないゆえに。



 森の中、俺はすぐに後悔をした。

 

 早速、俺は魔物と出くわしたのだ。


 相手が何かって?


 剣と盾持った骸骨剣士でした☆


「クソがぁぁぁぁぁ!!」


 俺は逃げる。


 いや、プログラム使ったところでよ?

 パンチが効くわけないやん?


 俺だって試したよ?


 ただただ拳が痛くなったうえに、

 モタモタしたせいでワラワラ集まって

 今十数体の骸骨剣士を引き連れて走ってる。


 さながらそれは百鬼夜行だ。

 多分、俺、今の職業:ぬらりひょん!!


 一応プログラムで、

 剣を避けるものは組んでおいたから

 殺されることはないだろうが……。


 そう思った時、俺の身体が勝手に動く。


「ひょえぇぇ!!」


 背後から俺の左にブンッ!って音を鳴らし

 剣が振り下ろされたのだ。


 その瞬間『ピコン』と音が鳴る。


 この音は確か!?。

 そういえばメニューの存在を忘れてた!!


 メニューを開くといくつも通知が来ている。


『レベルが10になりました』

『現在の職業ではこれ以上レベルは上がりません』

『レアドロップ:ダインスレイヴ を獲得しました』

『パーティーから脱退しました』

『リータ から パーティー申請 が届いています」

『特殊スキル:IT のスキルレベルが2になりました』

『ハードウェア:アンロック CPU』

『ネットワーク:アンロック 外部接続』

 

「何これめちゃくちゃ来てんじゃん!!!」


 俺は走りながら通知を追う。

 いろいろ気になるものはあるが、

 今の状況を打破できそうなものは二つ。


 ダインスレイヴ……。

 名前的には剣だよな?

 まさかあのトカゲ倒したときか?


 そして新たなスキル『CPU』と『外部接続』

 いや、何に使うん!?


 とりあえず、俺は所持品を見てみる。


 『トカゲの油』とかいらんものもあったが、

 確かにそこには『ダインスレイヴ』があった。


 俺がそれを選ぶと目の前に剣が浮かんだ。


 うすうす思っていたけど、

 ここってゲームの世界みたいだな。


 俺はその剣を掴む。


 『CPU』が何に使えるかは知らんが、

 武器さえあれば何とか戦える!!


 俺は自分の胸に手を当てて叫ぶ。


 『コーディング!!』

 

 目の前にはさっきエディターと

 俺がさっき書いたコード。


 そして見慣れないものが増えていた。



 『対象』と『保存先』



 一体何だ? これは。




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