幕間•思うこと
「ん〜プリン美味いのじゃあ〜♪」
「喜んでもらえなら良かったよ。コンも色々頑張ってくれたしね」
「むふふ、礼には及ばぬのじゃ。…プリン、本当に全部貰って良いのかの?」
「あぁ。それは君のために買ったものだ、遠慮なく食べて」
「ありがとうなのじゃ、紳人!」
4個入りのプリンをペロリと平らげていく、満面の笑みのコン。どれだけ喜んでいるかは、忙しなく動く尻尾を見れば一目瞭然である。
コンがうちに来て、まさか翌日にあんな騒動が起きるなんて思っていなかった。
……逆か。コンが来て、コン達神様が見えるようになったからこそ俺は今回の一連の出来事を知ることになったんだ。
「神様は万能じゃない。願いが叶ったからと、幸せになれるわけでもない。また少し、学んだよ」
「うむうむ、お主も成長しておるのじゃな」
しきりに頷いて見せるコン。子の成長を見守る親のようなことを言うが、その口元にはプリンのキャラメルが付いている。
「逆にコンは、この相変わらず大人なのか子供なのか分からないねぇ…」
「何じゃと!?わしを童と同じと申すか!」
八重歯を見せてうがー!と怒られるが、キャラメルが付いてることには気付いておられない。面白いからこのままにしておこうか。
「……」
怒って詰め寄るコンを宥めながら、ふと思う。
俺とコンは、次はどんな人間と神様に会うのだろう。そこで何を見て、何を思うのか。
そして、俺達の日々はどんな風に過ぎていくのか。
「ところでコン、明日のデザートは何が良い?」
「そんなこと!…焼きプリンって美味しいのかの?」
……どうやら、それは神様すら知らないらしい。あんなことやこんなこと、いっぱいあるからしょうがないね。
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