9.始めての朝

 あの後、部屋の中でできる限りのことは調べてみた。

 時間割はファイルの中にあったので明日の授業は把握できた。あと、自分の学校名とクラス。

 もう寝る時間という手前、部屋の外に出るわけにもいかず、情報収集も結局中途半端になってしまったがもう仕方がない。

 あと普通に午後九時になると眠くなった。お昼にあんだけ寝てたくせに。この体は寝るのが好きなのか。

 いや、子どもはこういうものだったのかもしれない。


 学校名は「英華学園」というらしい。ずいぶんと華々しい名前だ。

 名前だけはどこかで聞き覚えがある。有名な学校だろうか。ただ、どんな学校なのかはまったくわからない。

 もう当たって砕けろの精神で行くしかない。この方が気は楽だ。

 普段の起床時間はわからなかったが、目覚まし時計によると朝六時に起きているようだ。


 てか目覚ましで起きてるんだ。お嬢様って誰かに起こされているイメージだったんだけど。

 使用人の人とか来るわけじゃないっぽいな。


 目覚ましをセットして、ベッドの中に潜り込む。


 この体はすぐ眠りに入れる。便利だ。

 昔は眠るのも一苦労だったもんだが……



 ◆ ◆ ◆



 朝、目覚ましの音で目が覚める。音の在り処を手探りで探し、なんとか止める。

 まどろみの中、布団から無理やり、強引に上体を起こす。

 これが二十七年間の間に鍛えた、二度寝防止技術だ。


 すると目の前には知らん若い女性がいた。


 どちらさまでしょうか。


「お、おはようございます、お嬢様」

 挨拶はしておこう。

「おはようございます」

「本日のモーニングティーはいかがなさいますか?」


 は?

 知らんって~~~~~


 なにモーニングティーって~~~~


 紅茶とかティーとか飲まないって~~~

 コーヒーしかのまんて~~~~


 なんてことをぼんやりした頭で考えていたが、目の前の女性は何も言わずに俺の返事を待っている。


 ヤバイなんか言わなきゃ、マズイ、頭が働かん、なんか言わなきゃ


 普段なんて言ってんだろ、いやわからん。


 マズイ、目の前の人がオロオロしている。早く答えないと。

 そうだ、こういうとき最強の言葉がある。


「オ、オススメはどれですか?」

 動揺しすぎてちょっと上ずった声になった。


「へっ!? あ、あっ、ロ、ローズマリーとか、いかがでしょうか!」

 なんであんたまで動揺してんだよ。


「じゃ、じゃあそれで」


 寝ぼけ眼でぼんやり女性を見ると、なにやら紅茶らしきものを入れている。手慣れた手付きだが、なんだか焦っているようにも見える。


 紅茶らしきものを注いだティーカップを目の前まで持ってきた。

「ロ、ローズマリーのブレンドです!」

 紅茶じゃなかった、ローズマリーだった。もう何を注文したのか忘れていたみたいだ。


 てかなにブレンドって。

 なんかローズって名前だからピンクっぽいのかなとか思ってたけど普通の紅茶を薄めたみたいな色だった。

 少し口につける。味がわからん。多分、うまいんじゃないか。

 なんかハーブっぽいスッキリした味とレモンっぽい匂いのするお湯だ。


「いっ、いかがでしょうか!!」


 えっ! 味の感想まで求められるの!?


「あっ! お、美味しいです!!」


「よかったです! 失礼します!」


 出ていった。


 何だあの人。

 いや、使用人の方なんだろう。

 めっちゃキョドってなかったか?


 ……はーーー、なんだこの突発的なイベント。聞いてねぇぞ。

 お陰で目は覚めた。

 落ち着いてくるとお茶の味も少しわかってきた。ほのかな甘味も感じる。

 意外とうまいかも。



 こくこく、とローズマリーを口に含みながら考える。


 とりあえず顔を洗いたい。

 だが、洗面台がどこかわからない。昨日の風呂場の前にあった洗面台でいいのだろうか。


 サイドテーブルにティーカップを置いてベッドから立ち上がる。

 お風呂を目指そうと自室のドアを開けると、目の前には先程の使用人の方がいた。

 ちゃんと見るとかわいい小動物みたいな顔をしている。

 茶色い髪の毛も相まってリスみたいだ。


「あ、あのっ! 先にこちらでした!! 申し訳ありません!」

 と体をL字に曲げて頭を下げ、ほかほかのタオルを目の前に出してきた。


「ありがとうございます」

 受け取っておく。めっちゃ熱いんだが。


 え? なにこれ?

 顔を拭くってこと?

 不安になって子リス似の使用人さんの顔を見上げるとハッとした顔をしていた。


「も、申し訳ありません! 私が拭かせていただきます!」


 あれ、そうなの? もうよくわからん。任せよう。

 ほかほかタオルを渡すと子リスさんは「私」の顔を拭いてくれた。


 いや、熱いんだが。

「すいません、ちょっと熱いです」

「ひぇぇ!! ごめんなさい!! ごめんなさい!!!」

「そんな怒ってないですよ」


 騒ぎを聞きつけたのか、四十代ぐらいの女性の使用人の方がやってきた。

「エリカお嬢様、いかがいたしましたか?」

 まずい、大事になりそう

「えっと、大丈夫です。ちょっとタオルが熱かっただけで……」

「ごめんなさい!! ごめんなさい!!」

 子リスが謝る機械になってしまった。もうなんなのこの家。朝から怖いよ。


「大変失礼いたしました。ただいま新しいものを用意して参ります」

「あー、それより水で洗いたいんですけど……」

「えっ! み、水ですか!? しょ、少々お待ち下さい!!」

「ごめんなさい!! ごめんなさい!!」


 もうみんなパニックになってる。

 朝からお祭り騒ぎだ。俺も何が間違っていたのかまったくわからない。

 ごめん、エリカさん。君の家、ぐっちゃぐちゃにしてしまったかもしれない。

 なんてぼんやりしていると横から誰か来た。


「おはよう、エリカ」

 くっっっそイケメンだった。


 は?


 誰?


 やだぁ?

 どこのお兄様なのぉ??

 と心の中の乙女が自己主張してきてしまうほどのイケメンだった。

 男の俺から見ても、凄い美形。整った顔つき。それでいて目元には男らしい力強さを感じる。しかもまだ若い。これからまだ伸びる。末恐ろしい。


 ……よくよく見ると薄っすらと、あのダンディパッパの面影を感じる。




 これ、あれだ。絶対「私」の兄だ。

「私」のお兄様じゃね?


「お、おはようございます」

 朝からイケメンに話しかけられてちょっと嬉しい。やっぱりイケメンって正義だわ。


 四十代ぐらいの女性の使用人が戻ってきた。

「お、お嬢様! 水をお持ちしました!!」

 バケツいっぱいの水も一緒みたいだ。

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 子リスさんは謝ることに疲れ始めている。


「エリカ、なにがあったんだい?」

 俺が聞きたい。



 ◆ ◆ ◆



 顔を洗いたかった、と伝えると兄が一緒に行こうと「私」の手を引いて連れて行ってくれた。

 顔も良い上にやさしい兄だ。見た感じ、中学生くらいだろうか。

 ……となると年齢は六歳以上離れているかもしれない。


 昨日のお風呂場の洗面台に連れてこられた。

 というかこれ、洗面台って言うよりパウダールームって言ったほうが正しい気がする。

 パウダールームって言葉のほうが似合うぐらい綺麗だからだ。


 洗面台はいくつもあるので兄と思われるイケメンと並びながら顔を洗う。

 壁一面に貼ってあるバカデカい鏡を覗くと、そこには年端も行かない少女の姿。少し髪の毛が跳ねている。まだこれが自分だとは思えない。

 ちなみに俺は用意してもらった台に乗って顔を洗っている。だが実は少し苦戦している。

 なんせ髪の毛が長い。下を向くと髪も一緒についてきてめちゃくちゃ邪魔だ。

 多分ヘアバンドみたいのを使うべきなんだろう。だが、普段どうしているかわからない以上、下手には動けない。


 顔を洗うことに苦戦していると急にイケメンが口を開いた。

「エリカ、今日は一人で起きられたんだね」

 どういうことだろうか。今まで一人で起きてなかったのか?

「今までずっと駄々こねて起きてこなかったのに、大人になったね」

 頭を撫でられた。顔に張り付いた髪と水滴と笑顔。

 俺が女の子だったら一発でオチていただろう。俺の心の乙女は落ちた。


 だが、エリカさんにとっては兄。つとめて冷静に顔を拭きながら答えた。

「今日は久々の学校だったので! 頑張ってみようかと思いまして」

「もう学校に行くのかい? あんなことになったばかりなんだし……もう少し休んでてもいいんじゃない?」

 あんなこと……事故のことか?

「お、お母様と決めたので……」

 あ、あれ、マズイ、エリカさんは母のことをなんて呼んでいたのだろうか。

 今、適当にお母様って言ったけど合ってる?

「そうなんだ……」

 ア、コワイ。もしかして違った?


「そういえば、口調変わったね」











 え?






 は?





「あ、あれ、なにか違いますか?」

「うん、前はお母様みたいな喋り方だったじゃないか」

 眼の前のイケメンが不思議そうな顔をなされている。


 兄と思われる人から顔を背けてゆっくり鏡を見る。そこに映る「私」の顔。



 あれ? もしかして俺ずっと間違ってた?





 うそ、待ってくれ、父も母も指摘しなかったぞ……?



 待て、そのことは後だ

 今はここを乗り切る。



 意を決して兄を振り返った。



「イ、イメチェンしたのです、わ!」







 静謐








 兄と思われる人の目を見つめ続ける。

 ここで逸したら終わりだ。そんな気がする。

 少し茶色がかった、優しげだけど一切の感情の色が見えないその目を見つめ続ける。





「そうなんだ」



 兄が目を逸した。



 イケた!!!!!!!!!

 よっし!!!!


 心の中でガッツポーズを決めた。


 顔には出さないように。

 いやダメだ、鏡見ると口元がひくついてる。

 ごまかすようにもう一度顔を洗った。


 俺はやった!!



 ◆ ◆ ◆



 顔を洗い終えたので兄らしき人と別れて自室に戻りながら思い返す。


 俺は嘘をつくのが下手だと思っていた。

 だが、それは勘違い。

 嘘をつく才能がここに来て開花してしまったか……

 フッ、こんなに簡単に騙せるなら詐欺師でもやってみても良かったかもしれないな。


 なんてふざけている場合ではない。


 口調が違った? 嘘だろ?

 だって、パパ上もママ上もまったく指摘してこなかったぞ?


 パパ上はともかく、ママ上なんて風呂で結構話したぞ?

 まさか、気がついていないのか?


 いや、そんなことない。ありえん。今さっき始めて話しただけの兄らしき人に一瞬で看破されたんだ。

 今までママ上もエリカさんとあまり会話しなかったとか?

 ……それもありえない。風呂にいつも一緒に入ってんだろ?

 エリカさんが母と同じようなお嬢様言葉だったのは、母から学んだというのが自然だ。

 というかその可能性にまったく気が付かなかった。


 そうだ、子どもは親の真似をする。喋り方だってそうだろう。マズイな、思慮が足りなかった。母がお嬢様言葉なら娘もそうである可能性を考えられなかったのは俺の落ち度だ。


 いや、待て待て、反省は後だ。兄は騙し通せた。次は両親がこの件についてどう思っているかだ。

 今の今まで指摘されていないことが不自然だ。おかしい。逆に怖い。

 どういう意図だ?


 彼ら視点で考えてみよう。

 まず、事故が起きて、それから目覚めた娘の口調が変わっている。

 それに触れない。


 



 は? なんで?

 触れてよ!!

 大至急そこ触れてよ!!


 どういうことだろうか。もしかして俺は試されているのだろうか。

 どうしていいかわからん、とか考えているうちに自室に戻ってきた。


 部屋に入ってすぐにカバンから手帳を取り出し、思考をまとめようとしたところ、扉を叩く音がした。

 手帳を高速でカバンにぶち込んで「はい!」と返事をする。


 扉が開くと謝罪ロボもとい子リスもとい使用人の方。それとその隣に四十代ぐらいの女性の使用人の方。朝のお祭り参加者だ。

 子リスさんじゃない方が口を開いた。

「先程は大変失礼いたしました。エリカお嬢様、改めてお着替えのお手伝いをさせていただいてもよろしいでしょうか」

「あ、はい、お願いします……わ」

 マズイ、兄らしき人のせいで俺の語尾がブレブレだ。

 このままだとマズい。どうしよう。


 四十代ぐらいの女性は手慣れた手付きで「私」の寝巻きを脱がし始めた。昔から着替えはこの人が担当していたのだろうか。


 女性は手を動かしながら口を開き、先程はお見苦しいところをお見せしてしまいました、と謝罪してきたが、いいえ、大丈夫です、と適当に返事しておいた。

 正直、今はそんなことどうでもいい。それよりも俺の語尾をどうするかのほうが大事だ。

 このままの喋り方を維持するか、お嬢様言葉に切り替えるか。


「お嬢様、本日の下着はどちらにいたしますか?」

 えぇ~~マジでどうでもいい~~~~~~~~

「えー、と、オ、オススメで」

「オ、オススメですか!?」

 だからなんであんたたちが動揺してんだよ。

 てか後ろの子リスまで動揺してるじゃねーか。なんであわわ! みたいな顔してんだ。

 うちの使用人はオススメを聞かれると動揺するように教育を受けているのか?



 いや、下着のオススメってなんだ?

 そりゃ動揺もするか。これは俺が悪いのか?

 もう何でもいい、適当に選んでおこう。

「じゃあ……これでお願いします……わ」



 着替えが終わった。大きな姿見の前に立つ。

 紺色で無地のスカート、上は白いシャツ、その上から紺色のプルオーバーカーディガン。カーディガンの左胸にはデカい花っぽい刺繍付きだ。

 第一印象はシンプル。でも胸の刺繍の主張が凄い。


 この服は制服だろうか。それとも私服なのだろうか。

 使用人の方が勝手に選んだ服なので、今日はこれが正解なんだろう。

 使用人の方々は出ていった。


 ベッドに腰掛けながら考える。

 服のことよりも口調だ。どうしよう。両親に会う前に俺の中で方向性を決めておこう。じゃないと今みたいにブレブレの口調になってしまう。どっちがいい? 今まで通り丁寧な言葉使いでも特に指摘は受けな「エリカお嬢様、朝食の準備が整いました」かったわけだし、このままでもいいのかもしれない。むしろ今からお嬢様言葉に変えた場合、なぜ? となる可能性すらある。そうだこのまま突き通し「エリカお嬢様……?」た方がいいだろう。兄と思われる人にはイメチェンで通ったのだからイメチェンを突き通そう。イメチェン。これで突き通そう。その方が「あ、あの、エリカお嬢様……」……え? ああ、俺が呼ばれてるのか。


「ち、朝食は、ダイニングで行いますので、あの、その……」

 子リスさんが泣きそうになっていた。

 ついてこいってことか。すいません、無視していたわけじゃないんです。まだエリカって呼ばれるの、慣れてないんです。行きます。





 ダイニングに行くとダンディと美女とイケメンが待っていた。

 絵画か?


「おはよう、エリカ」

「おはようございます、エリカさん」


 麗しの両親のご挨拶。


「おはようございます、ぉ、、」

 お父さん? お父様? やべぇ呼び方がわからん。

 頭をぺこり。これでごまかす。お父様の顔色は……笑顔。よし。


 食卓に着いた。

 すると朝食が配膳されてくる。自動でメシが出てくることに少しばかり感動する。

 前は朝食なんて毎日食ってなかった。面倒くさいし、そんなにお腹が空く感じなかった。が、今はお腹ペコペコだ。

 今日のもうまそうだ。よし食おう!


「いただきます」

 ダンディと美女とイケメンはちゃんと手を合わせていた。

「……いただきます」

 遅れて俺も感謝を捧げた。


 たぶん、育ちの良さってこういうところで差が付くんだろうな。


「エリカ、今日から学校に行くんだってね」

 食事をしているとダンディが話しかけてきた

 ちなみに今日のメニューはベーコンエッグとうまいパン、あと何かわからんスープ。他にもなんかたくさんある。メニューだけ聞けば普通の食卓だが、全体的な見た目が豪華だ。特に皿と盛り付け。そして食えば味がひと味もふた味も違うことを舌がすぐに理解する。

 もっと味わっていたいがそうもいかない。

「はい、昨日お母様とそう決めました」

「そうか、楽しんできなさい」

 ダンディスマイルを朝から全身で浴びた。


「アキノリさんは今日も朝練ですの?」

「……そうです」

「毎日大変ですわね」

「……」

「最近のアキノリさんったら、わたくしに冷たくて泣いてしまいそうですわ……」

 ぐすん、と泣き真似をしているママ上。

「……そんなことないです」

 まったく効いていないみたいだ。


 おっ? 兄はアキノリと言うのか。イケメンは思春期か?

 いや、中学生なら思春期ド真ん中か。イケメンでも思春期って来るんだな。


 しかし、イケメンの制服、カッコいいな。

 白のスラックスに白のブレザー。胸には結構デカい花のアクセサリー? なんかチェーンがぷらんってなってる、あのオシャレな感じのヤツ。名前がわからん。

 こんな制服、本当に存在するんだな。ゲームとかアニメの世界だけだと思っていた。

 これでカレーうどん食べられないだろうな。

 いや、このイケメンなら汁飛ばさないでカレーうどん食べるのかな。待て待て、そもそもこの階級の人々はカレーうどんを食べるのか?


「どうしたんだい、エリカ」

 兄に視線を気取られた。

「い、いえ! なんでもありません!」

「あらあら、いつの間に仲良しになったのかしら」


 えっ? な、仲悪かったの?

 あぶねぇフォーク落とすところだった。


「今朝、エリカの部屋の前が大騒ぎだったから、少し助けてあげたんだよ。それだけ」

「はぁ、母には冷たいのに妹には優しいのですね」

「ミドリ、それぐらいにしてやってあげなさい」

 ミドリ?それがママ上の名前なのか?

 ……緑園寺ミドリって緑すぎないか? どんだけ緑好きなんだ? 悪いとは言わんが。

 しかしさすがダンディ、思春期男子の気持ちを理解しているのかもしれない。


「アキノリ、そろそろ中間試験だが……」

「問題ありません」

 表情も変えずに事実であるかのように、兄はそう言った。

「そうか。今回も期待しているぞ」


 ふーん、今回もってことは今まで良い結果だったのか。

 コイツ、イケメンで勉強までできるのかよ。本当に人間か?


 その後も他愛のない話が続いた。意外と食事中の会話が多い家族のようだ。

 正直、緊張しっぱなしでメシの味が少ししかわからんかった。が、多分美味かったと思う。

 朝食中、ずっと兄の表情が変わらなかったことだけは気がかりだった。

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