第4話 やる気がでない
「良い大学生に入る」ことが小学校に入学した当初の私の夢だった。
不本意ながら、クラスで「頭が良い」というキャラを確立させたわたしだが、夢と合致するキャラを手に入れたと言えるだろう。
だが、わたしはあれからというもの勉強のやる気を出せずにいた。いじめられる前まではあった勉強へのモチベーションが急になくなってしまったのだ。原因は思い当たる節があった。いじめてきたくせに、次の日には虫の良すぎる手のひら返しをしてきたクラスメイト達だ。いじめられなくなったとはいえ、心の中で許せないなにかがあったのだ。「頭が良い」ということを免罪符にいじめを逃れた私が、勉強をするということは、いじめてきたやつの期待に応えるということになるということになるのではないかとわたしは思ったのだ。
とはいえ、「頭が良い」という免罪符がなくなれば、わたしはまたいじめられる。そう思って、勉強しなければと思った。しかし、お母さんに手伝ってもらわないとできないよ、と私は思うほどに、勉強へのモチベーションがなくなっていた。
そのかわり、わたしがはまっていたのは、あのエロ本だ。いけないことをしているという罪悪感があったが、わたしはいじめられなくなっても、あの本を読むのをやめられなくなっていた。あの本が図書館に返されてからも、わたしはいたるところでエロい描写を探すようになっていたと思う。そんな日々を過ごしながら、わたしは小学二年生になった。
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