第2話 友人との出会い
私と友人の出会いは、専門学校でした。
専門学校では、一年目で基礎を学び、二年目で各分野、進路別になりました。
私と友人は、一年目のクラスメートでした。
気か付けば集まる仲間内になっていて、特に私たちは気が合い、ふたりだけで話したり出掛けたりするようになりました。
二年目にふたりのクラスが違ってからも、卒業後も、私たちの仲は変わりませんでした。
連絡を取り合い、定期的にお互いの住居に行き来をしていました。
私たちはいつも、話が尽きませんでした。
仕事の話、恋愛の話、人間関係の悩み。お互いに何でも話せていたと思います。
友人も私も、少しだけ複雑な家庭で育ちました。
機能不全家庭。
私より友人の方が、より複雑な家庭でした。
友人は、自分がアダルトチルドレンであることを自覚していました。
そんなあまり他人には言えない話も、ふたりの間ではよく話をしていました。
笑ったり泣いたりしながら、私たちは並んで横になり、よく深夜まで話し込んでいました。
専門学校を卒業後、私は建設会社に就職、友人はしばらくのフリーターを経て、事務職の派遣に就きました。
友人は様々な短期派遣の経験を積み、長期派遣になり、直接雇用の座を得ていきました。それはまるで、RPGのレベルアップのようでした。
不器用ながら、様々な仕事を懸命にクリアしていく友人の姿は、傍で見ていてとても面白く、爽快なサクセスストーリーのようでした。
友人はまるで決まっていたかのように、スルスルと流れに乗り、ある個人事務所の事務員になりました。
そこは弁護士事務所でした。
この友人の就職から、この長いはなしは始まったように思います。
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