第16話:休息、そして戦闘
あの日からフォルネウスの反応はない。でも死んでいるとは思わない、彼女の鼓動が感じるからだ。でもこんなに寝ていて大丈夫なものなのか?悪魔と人間は同じじゃあないから人間の常識が当てはまるはずもない、起きるまで待っといてやろう。
「フォルネくん、今日の見回りは僕らの隊らしい」
「そうなの?じゃあ順番決めないとね」
「それなんだが、ワタシがもう決めといた」
ふふふ。ワタシは知っている、ミランダくんには少なからずフォルネくんに好意を抱いていることを!ならここはワタシが裏工作を使用ではないか、この二人の恋が実るように!!
「それはありがたい。で、最初は誰と誰なの?」
「最初はワタシとガレフくんだ」
「じゃあ僕は?」
「フォルネくんはミランダくんと一緒で、順番は最後だ」
「分かった、じゃあ先寝とくね」
なぜフォルネくんたちを最後にしたかって?それは勿論、朝日を一緒に迎えて恋を加速させるためだ。朝日と夕日ほど綺麗な物ないからな。という事で、ワタシは最初の見回りに行くとしよう。
そんなこんなで僕とミランダさんは同じ番を担当することになった。アラヒサくん曰く僕たちは1番最後の番らしいので先に寝ることにした。と言ってもそんなに眠くないので脳がよく働く。フォルネウスの事、襲撃してきた悪魔たちのこと、そして僕が内に秘めてるミランダさんに対する感情… 僕はミランダさんの事を実際どう思っているのだろうか?確かに彼女は可愛い。けどそれが恋の直接的な要因と言えるのか?もっとこう… 明白な理由がないと恋と呼べないのか?あーいや!こんな事考えてたら寝れな…い…
「おーい、ボイルさーん!起きてください」
目を開けるとアーシャさんが居た。いつのまにか時間が経っていたらしい。よく寝れた気がするなぁ。
「ミランダさんは?」
「起きてるわ。多分先に行ったんじゃない?」
「分かりました、ありがとうございます」
寝服から戦闘服に着替え、洞窟の先へと進み入り口へ辿り着いた。中からは外が見える仕掛けになっているカモフラージュ魔法をかけてるため僕らは洞窟内でも見回り出来る。入り口付近にミランダさんは座り込んでいた。
「おはよう、ミランダさん」
「ん、おはよー。フォルネくんは寝れた?」
「まぁ寝れたかな?ミランダさんは?すごく眠そうだけど」
「私、朝弱いんだよねー」
僕は彼女の隣に座った。見回りと言ってもする事がなく暇だ。
「フォルネウスちゃんは大丈夫?あれから音沙汰ない感じ?」
「そうだね… でも微かに感じるんだ、フォルネウスの鼓動が。だから僕はまだ死んだなんて思ってないよ」
「そうね… そうよね」
沈黙が続いた。どちらも話そうとはしなかったがそんな沈黙を破ったのは彼女の方だった。
「あの日… 初日のキャンプの日、私とお姉ちゃんの話聴こえてたよね?あのテント、思い返してみればフォルネくんとアラヒサくんのだった」
なんて答えたらいいか少し迷った。
「そうだね… 盗み聞きなんてするつもりはなかったんだけど… ごめん」
「いーのいーの!私が悪いんだし。でさ、あの話なんだけど、内緒にしてくれたら嬉しいかな。あんまり人に聞かれたくないから」
「うん、約束するよ」
そこで会話は途切れた。僕からも、彼女からも話す事はない。少し気まずい。
「わぁ、キレイ」
彼女の目線の先にはオレンジ色に輝く雪と段々と水色になる空があった。確かにその風景は幻想的でキレイだった。
「フォルネくん」
「うん?」
「これからもよろしくね!」
「?うん、よろしく」
数時間後にはみんな起きていた。朝食の支度をする者や着替えをする者が居た。僕たちも戻って朝飯を食べることにした。
「いやぁ、ここには良い腕の料理人がいてほんと良かったッス!」
なぜか平然と一緒にご飯を食ってるイアソンさん。
「いやね?僕の奥さん、剣術は達者なのになぁぜか料理になると点でダメで… こうして腹の膨れる飯にありつけるだけでありがたいッス」
当然それを聞きそびれなかったメディアさんはイアソンさんをおもいっきしぶん殴った。
「ところで、ミランダくんとはどんな感じに?」
「へ?なに急に?」
「ほらほら、朝日を一緒に見たんだからなんか発展の少しぐらいあるのでは?」
「朝日を見たって言っても… 日が昇るのは入り口の反対側だよ?僕らは空の変わり目を見たぐらい」
「ぐっ!そういえばそうだった!アラヒサ、一生の不覚…!」
なーに企んでんだが。別にそんな事しなくても…
「奇襲ッーー!」
洞窟内に鳴り響いた。直ちに戦闘員全員が武器を取り出し入り口に向かって走っていった。だがそこで目の当たりにしたのは、無惨に殺されてる兵士数人だった。入り口付近には推定2mはあるだろう巨体の亜人。
「こぉなとこに隠れてやがったか!」
彼らは全員が全員狂気に満ち溢れた顔立ちで洞窟に入ってくる。
「皆殺しだぁッ!」
襲いかかってくる軍勢に猪突猛進していく影、クーフーリンさんだ。槍で頭をぶち抜き、自分の倍ある巨体を倒した。
「お前ら雑魚兵どもに使う魔術はない、無様に足掻きながら死ね」
「総員、戦闘開始ィィィ!!!」
奥から大隊長の声が鳴り響いた。それと同時に億劫になっていた兵士が一斉に突撃していった。僕も槍を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます