第14話 悪人に人権なし(キッパリ)

       ※ 注意! ※


【残酷な描写】があります! 苦手な方は読み飛ばしてください(><ゞ


 ◆ ◆ ◆



「ヒャッハー☆ ヒャハハハハッ!?」


 何が面白いのか、世○末のモヒカンどもはすでに事切れている行商の遺体をもてあそんでいた。4体蹴りをするとは、絵に描いたドク○だな。


「いやぁラッキーだぜ、俺ら!? 最近、お上貴族の取り立てが厳しいからヨォ!? 通りすがりの行商ぶっ56して、小遣いゲットだぜッ!?」


 そんな理由で、56された行商も不憫だな。俺がきっちり『狩って』おくからな。


「盛り上がってるところ、ジャマするぜ?」


「ア"ア"ンッ、ナンじゃ我ェ!? 見ねぇツラだが余所モンかぁ!?」


 一人が歯抜けを晒しながら、俺に至近距離でメンチを切った。


「ナニも知らずにノコノコ来るたぁ、さぞ田舎モンなんだろーナァ? どしたアンちゃん? ビビって声も出ねーか、カワイソウにッ!?」


「俺の近くで息すんな、臭くて敵わん」


 俺が鼻を摘みながら、顔をしかめるとモヒカンどもは愉快に爆笑した。


「ギャハハハッ☆ なかなか面白ェ奴だな、オイッ!? 心配すんな、オメーもこの行商の仲間に……かへッ!?」


 俺の胸ぐらを掴んでいた歯抜けはビクビク痙攣けいれんし、泡を噴きながら白目を剥いた。動揺する他のモヒカンども。


「ん? 誰を仲間に入れるって?」


「このガキッ、舐めんな……って、ナンだァああアアッ!? 体が勝手に……うぎょえぇエエッッ!?!?」


 錯乱ラリったモヒカンどもは、三日月刀シミターなどで自分ないし仲間の腕などを斬り刻み始めた。あちこちに、欠○した腕やら脚やらが散らばる。

 そりゃ『奈落の化物ども』にも効いたんだ。耐性のない人間などイチ○ロだ。


「クソー、ナニがどーなって!? 俺らいつヤられたんだァ!?」


「……呆れた。アナタたち、気づいてないの? アレクが出ていく時、高速のブーメランでアナタたちの全身を斬り刻んだのよ?」


「はへ……? ナニ言ってんだ、このアマ?? うぉおおぉおんッ!? ち"く"しょお"ぉーッ!? お出かけデスかぁべべべのべぇえぇ!?!?」


 フム? どうやら『複合状態異常』だと、人間の精神を著しく破壊するようだ。残ったモヒカンは喜怒哀楽が、目まぐるしく変化した。


「ゲヘヘヘヘ☆ なんか一周回って、楽しくなってキタゾ。ちにゃ!!!!」


 モヒカンは自らドタマをかち割り、盛大に脳漿のうしょうをぶち撒けて絶命した。


「しまった! 俺としたことが調子づいて、一撃必○テー○ッテーしちまった。貴族連盟について訊こうと思ったが、まー下っ端だし詳しくは知らんか。ん? どしたセレナ、顔をしかめて」


「……あなたの性格、慣れるのに時間が掛かりそうだわ」


「何を今さら。セレナも元冒険者なら、こういうのは見慣れてるだろ? 悔やんでも、4んだ人間は生き返りはしない。俺らに出来ることは、ならず者を狩るくらいだ。『悪人に人権なし』って言うしな」


 俺は行商の遺体を荷馬車に乗せて、毛布を被せた。街に着いたら、とむらってやろう。荷馬車を拝借するワケだし、これくらいはな。

 残骸は通りすがりの魔物が、適当に『処理』するだろ。ならず者より、よほど役に立つな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る