第7話 敵より邪魔な味方(ざまぁ回 ①)
「ミナの衆ッ、ノッてるかァあ"あ"あ"あッ!?」
「ノッてるかっ!」
ミニカマキリと戯れてるゴートに、俺は全力で突っ込みを入れた。んで、開幕から
しかもどーいうワケか、カマキリの卵を背負っていた。そのうち
「ふぉお"お"お"おッ!? 虫を64しようとしたら、産卵されたでござるぅう"う"う"うッ!?」
んなことだと思ったよ……楽してレベルアップしてきたからな。『正攻法』など、最も無縁だろう。てか、打倒迷宮ボスはどこいった?
「くっ!? タダでさえ、ややこしい状況なのに! 最悪、彼らは見捨てるしか……」
「ハハハ、何言ってるんだセレナ? アレは『敵』だ。味方なワケないだろ?」
俺の満面の
「……うん? 魔物扱いされてて、草生えたけど分かったわ。ギルドには『事故』として、報告しておく」
まー迷宮内では、何が起きても『自己責任』だ。ギルドもヒマじゃないから、そこまで追い切れない。
――ブゥウウウウンッ!
カマキリが、また
――ガキンッ!
セレナの太刀が、ミニカマキリに弾かれた。やはり、耐久力を上げたか。セレナはあっという間に、ミニカマキリに囲まれた!
「これは長引きそうね……って、アレク!? 何してるの?」
「お節介だと思うが、ここは俺に任せな。こういうのは、俺の
俺はブーメランの全体攻撃を、ミニカマキリに浴びせた。ミニカマキリはコロッとひっくり返り、泡を噴いて
いくら耐久力を上げようが、猛毒の前には全く意味がない。
【必中+猛毒】まさに防御も回避も不可能な『確殺コンボ』だ。おっと? またレベルが上がったな。もう50超えたんじゃないか?
「……っ! また……アレク、一体どんな『魔法』を使ったの!?」
「まー魔法というか、ちょっとした『手品』だな。俺は『まとめて倒す』のが得意なんだよ。何匹来ようが、俺には『カモ』にしか見えない。もちろんネギ付きのな」
唇の端を吊り上げる俺に、セレナは若干引き気味だった。そうだ……昔の俺とは違う。俺は『力』を得た。
それにより、やっと『必中』スキルが輝き出した。たかが『1ダメージ』……だが、当たれば確実に【死ぬ】
「「「アレクぅううううッ、俺たちが悪かったァ!! 命だけは助けてチョンマゲッ!?」」」
何故か三バカが、全力土下座していた。しかも尿○まで漂ってきたぞ? ったく、所構わず漏らすなよ……(困惑)
「……何やっとんだ、お前ら? もう縁切ったとはいえ、恥ずかしいから止めろよw」
「お前が『強い』ってのは、よ~~く分かったッ! だから、56さないでッ!?」
「迷宮のあちこちに魔物の亡骸が56がってたケド、アレもお前が8ったんだろッ!?」
「アタシらは、どーかしてたわ! これからはキヨく正しくイキるから、見逃してッ!?」
各々、好き勝手に喚き散らす。どーかしてたと言うより、お前らは元から59潰しだろw
「そうか……まーお前らの存在自体、どーでもいいんだがな? 『もう遅い』……って言うのも、ミニカマキリを駆逐した際にお前らの体にも『毒』が回ってる……。持って後、10分ってところかなぁ?」
「んな……!? 苦しんで4ねってかッ!? お前、ヒトの心とかナインかいッ!? を"を"を"を"を"を"を"をンンッッ!?!?」
汚ぇ鼻水を垂らしながら、床ドンする三バカ。俺は嘆息しながら、懐から『あるもの』を取り出す。
「まーいくらお前らが、69でなしの
「「「一つ…………!?!?」」」
「お前らもシーカーの端くれなら、あのカマキリをなんとかしてみろ。早い者順で……」
「「「うぉお"お"お"お"お"お"お"おッッ、4に晒せぇえ"え"え"え"え"え"え"えッッ!?!?」」」
俺が最後まで言い終わる前に、一斉にカマキリに襲い掛かる三バカ。困惑するカマキリ……敵より邪魔な味方を体現しとるな。
「……あなたの性格、なんとなく分かったわ」
「そりゃどーも。ま、一応『誉め言葉』として受け取っておくよ」
呆れ顔のセレナに、俺は淡々と答えた。
散々コケにされてきたし、これくらいはな?(ニッコリ)
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