第9話 「すまない」と両の手の解放を求める

肩越しに再び拝む両乳房の形のよさに、またそれをまさぐった先程の触感に抗えず、ママの両脇から手を前にまわして両乳房をまさぐろうとしたが、一瞬早くママの両手が乳房を覆い、いやいやとばかり頭を振ってみせる。下を向いて拒否するその仕草がいじらしく、しかしそれでいながら両脇に挟んだ俺の両の手を離さないとでもするような、いわば初な小娘のような純情さも伝わって来て、俺は欲情ですっかりかすれた声で「すまない」と一声云って両の手の解放を求めた。ママが両脇をゆるませたので俺は今度はおとなしくドレスを上まで上げ肩紐をそれぞれ肩にかけたあとジッパーをいっぱいまで上げた。しかしその際に手をはずしたママの乳房をこれが見納めとばかりしっかりと網膜に焼き付けることは忘れなかったが。ママはふり向いてニッとばかり笑顔をつくってみせたあと椅子から立ち上がり、ウエストまでたくしあがったドレスを膝元までおろした。そして両手を俺の腰に当てて引き、今まで自分が座っていたカウンターの座席に座らせる。ボックス席から灰皿を持って来て俺の前に置くと、さきほど同様「ちょっと待てってね」とばかり手を伏せて上下に振り、カウンターの上にまとめた衣服を持って奥の控室へと消えた。これでようやく圧巻のストリップショーが終わったことを俺は悟るのだった…。


【※中途ですがここでちょっと一文を入れさせていただきます。この「バー・アンバー」という作品は実は決してアダルト本位な小説ではないのです。(次ページに続く…)

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