第38話 デート2 前半

いつものように、ボス百連戦をして、師匠と試合をして、よし!休憩だ!と喜んでいると...


「おいイスカ!ちょっとこっち来い!」


と師匠に呼ばれた。


俺は、師匠との試合でボコボコにされ、痛む体に鞭打って師匠のところに向かう。


「どうしたんだ師匠?悩みごとか?」

「違うわ。少し気になっておっての」


師匠が気になること?

何だそれ?


俺にわかるのか?ものしりな師匠が知らないことを俺が知っているわけが無いんだが.......


「お前たちはもう付き合ったのか?」

「付き合ってないけど」


あれ?この前も言ってなかったっけ?


老化が始まったのか?


「まだなのか..........」

「どうしたんだ師匠?」

「いや、なんかもうお前たちをみていると焦れったくてな。はよ付き合わんかお前ら」

「何で説教みたいになったんだよ最後」

「一日だけダンジョンの外に出てデートしてこい。そこでしっかりと付き合うんじゃぞ!」


えぇ?急にそんなこと言われても何の準備もできていないんだが?


「ここにデートプランは用意してある。これを使うんじゃ!」

「どうやって準備したんだよ!?ダンジョンから出たのか!?」

「弟子のためなら何でもできる。それが我じゃ。良い師匠じゃろ?」


フッ!とめちゃくちゃドヤ顔をしている師匠。


いやいやいや、どうやって出たんだよ!?出れたとしても、どうやって情報を集めたんだよ!


門番にギルドカードを見せなきゃ出入りはできないんだぞ?


やっぱ規格外だな。師匠は。


「わかったよ。じゃあ明日行ってくるわ」

「うむ。しっかりとやってこいよ。あとこれも渡しておこう」

「何だこれ?」

「我からのささやかなプレゼントじゃ。あまり熱くなりすぎぬようにな」


何だこれ?後で開けるか。






翌日。


「久しぶりの外です!」

「そうだな」


俺とユリナは、デートをしに、ダンジョンの外に出ていた。


いやーやっぱり気持ちいいな。ダンジョンの中は常に意識を集中させておかないと死ぬからな。


特に師匠との試合では、一歩間違えれば体が破裂する。


マジでエグいからなあの人。

初級魔法を放つだけで十人は余裕で死ぬ。

下手したら百人くらい死ぬんじゃないかってくらいの魔法をバンバン撃ってくるから、意識を集中させないと、マジで死ぬ。


そんなことを思い出して遠い目をしていると、


「イスカさん!せっかく外に出たんです!もっと楽しみましょうよ!」


ユリナがニコニコの笑顔でそう言ってくる。


俺はその太陽のように眩しい笑顔に顔をほころばせながら、


「そうだな。じゃあ行くか!デートに!」

「はい!行きましょう!」


今日は思いっきり楽しんでやる!





あとがき

何を渡されたんだろ?








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