第29話 レベルを上げまくる

「うーん。どうしよう」


今、俺はユリナと共にダンジョンに来ていた。

今日もレベルを上げようと思っていたんだが....


「ジュン!そっちに行った!」

「分かった!援護を頼む!!」

「了解!」


他の冒険者がワイバーンのところで戦っていた。


横でワイバーンに対してユリナを無双させるのもなんか申し訳ないし、どうしようかなと思っていた。


この人たちは長年一緒に冒険者として活動してきたのか、連携がとても取れていた。


ジュンという男は剣を使っており、女の方は魔法を使うみたいだ。


このパーティーの戦術は、先に女が攻撃魔法を発動して、魔物にダメージを与えてから男のほうが魔物に向かって剣で突っ込んで、それを女が援護射撃する感じらしい。


「イスカさん。どうします?」


ユリナも同じことを考えていたらしい。


今戦っている2人を見ながら、困ったように問いかけてくる。


うーん.....そういえば協力したときに入る経験値ってちゃんと均等に分けられたりするのか?


....いや、多分当てたダメージによって経験値が多くなったり、少なくなったりするだろうな。


均等に分けられたら、パーティーによるが、協力するのはするけど、最初の一撃だけ当てて、後は味方に任せる。みたいなことができるだろうし、そんなのは聞いたことも無いから、個人の戦績だろうな。


じゃあ


「行くか。ワイバーンじゃなくてドラゴンを狩りに」

「え?ドラゴン?本気で言ってます?」

「行くぞー!!」

「待ってください!ドラゴンはまだ無理ですってー!!!!」








そして現在。


「右ッ!左ッ!上ッ!上ッ!下ぁああああ!」

「避けるのうまくね?」


ユリナは、全力でドラゴンから逃げていた。


避け方がすごい。


クラスのドッチボールで大体最後まで残って、時間がくるまで当たらないやつぐらい避け方がすごい。


しかもこれ何がすごいかって、もう10分以上逃げ続けてることなんだよ。


よく体力が切れないな。あいつ。


フルマラソンに出たら一位確定だぞ。


でもまぁ、これじゃ埒が明かないし、ちょっとだけ手助けしてやるか。


【石化】


俺は魔眼を発動し、ドラゴンの動きを止める。


「ユリナ!ドラゴンを止めてるから、今の内に殺れ!」

「はい!ありがとうございます!行きますよー!」


ユリナはドラゴンに向かって走り出す。


そして手に持ったをドラゴンへと振りかざす。


「やぁッ!!」


しかし、その一撃はドラゴンの鱗を剥ぎ取るだけにとどまった。


なのでもう一発


「せいッ!!」


肉がえぐれた。だがまだ足りない。


はい三発目!


「ていッ!!」


まだまだ深さが足りない?


よろしい。


ならばもう十発だ。


「やぁッ!!とうッ!!せいッ!!はッ!!えいッ!!ふッ!!ていッ!!とりゃッ!!おりゃッ!!死ねッ!!!」


ユリナがハンマーで何発も殴って血が傷口から飛び出てくる。


グロいな。


ようやくドラゴンは息絶えたらしい。

ユリナの下でぐったりとしていた。


ユリナはドラゴンの上で、ドヤ顔をかましていた。



今この光景を見た人は思うだろう。





あのドラゴンの上に乗ってる人。

血まみれすぎて怖い。



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