第15話 戦神・前半

リーナさんに報告してから3日後、先日ギルド職員が調べたところ、やはり【魔物大行進スタンピード】が確認されたそうだ。


規模は数十万で種類はゴブリンやオーク、オーガとその上位種だ。そして、最奥にはドラゴンも確認されているらしい。


今日、冒険者ギルドの冒険者。総勢八万人で攻略を開始するそうだ。今回の【魔物大行進スタンピード】はこの世界の中でも類を見ないくらい大規模らしい。


「これより!【魔物大行進スタンピード】の攻略を開始する!怖いやつは帰れ!お前らみたいなのがいると人が死ぬ!俺たちが戦っている間、布団に包まってションベンでも漏らしてろ!その間に俺たちはこの【魔物大行進スタンピード】を乗り越えて、この街の英雄となろうじゃないか!

魔物は早いもんがちだ!

自分の分がなくなっても文句言うなよ!!

それじゃあ攻略開始だぁあああああ!!!!!!!!!!!」


「「「「「「「「「ウォオオオオオオ!!!!!!!!」」」」」」」」」


ギルドマスターの顔を初めて見たな。


さてと、俺も行きますかね。


ユリナ?怖いからおいてきたよ。

猛反対されたけどね。なんとか説得したよ。「イスカさんが死んだら私も死にます!」って言ってたし、死なないようにしないとな。






俺は、街の外壁に登り、今の状況を確認した。


「なるほどなるほどこれならこの魔法で行けるな」

俺はこの3日間サボっていたわけじゃない。

この【魔物大行進スタンピード】に向けての特訓をしていた。

そのうちの一つが魔法だ。


ユリナには初級魔法しか教わっていない。

だが、魔法書を買えば自分で使えるようになる。


そして俺は今、



「燃やし尽くせ。【破滅ノ黒炎ヴァルセヌス】」



超級魔法まで覚えることができた。


この魔法、【破滅ノ黒炎ヴァルセヌス】は太陽のようなものを作り、それを相手へとぶつける広範囲の魔法だ。

魔力の消費はそこまで激しくない。

せいぜい俺の十分の一にすら届かない程度の消費量だ。


だが、この魔法によって確実に、魔物は削れた。

後は冒険者たちが頑張ってくれるはずである。



今のうちに俺は、

























さてと、元凶はこの辺にいるはず.....見つけた。



「よお。お前がこの【魔物大行進スタンピード】の元凶か?」

「なんだお前は?まぁいい。そうさ俺がやったさ」

「お前、魔族か?」

「ほぉ。よく知ってるな。誰から聞いたんだ?」

「いわねぇよ馬鹿が」

「そうか。名前は名乗ってやろう。私の名前はエデスだ」

「俺はイスカだ。それじゃあ、死ね」

「死ぬのはお前だよイスカ」

こいつのステータスは俺よりも高い。

何で多分なのかって?見えなかったんだよ、






















だから俺も警戒しているが相手に動きがない。

ならば、俺から攻めるまでだ!


俺は剣を抜き、【縮地】を使って相手に迫る。

袈裟斬りを放とうとするが、背中に寒気を感じて即座にその場から後ろに飛ぶ。


「ほう。いい判断だ。今袈裟斬りを放っていればお前は死んでいた」


そう言ってエデスは少しだけ抜いていた剣をもとに戻した。


やばい。こいつはやばい。実力に差がありすぎる。勝てない。


いや、何を俺は弱気になっているんだ?

まだ勝負は決まっていないだろ!


「なるほど。精神系の魔法も通じないと」


俺はしゃべっているあいつにデカいファイアボールを放つ。

「ふん。こんなものが通用すると思われているとは。心外だな」


そういってエデスはファイアボールを

そして前に視線を向けるが、そこに俺はもういない。


俺はエデスの背後から迫り、首に向かって剣をふるう。

行ける!

そう思ったときに、まるで左腕がのような激しい痛みを感じた。


「だから言っただろう。と」


エデスの横には、俺の左腕が落ちていた。


「ガァアアアアア!!!!!!!!」


痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!

俺の腕が!


いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ。このままじゃ死ぬ!


死にたくない!!!


俺はユリナと約束したんだ!

絶対に生きて帰るって!


【読心】、【魅了】、【鑑定】、【石化】くそっ!

なんでだよ!どうして効かないんだ!

魔力ですら負けてるってのか!


俺は生きて帰るんだ!


絶対に死なない!


「はぁ。拍子抜けだなイスカ。さらばだ。死ね」


俺は、あきらめない!

必ず、生きて帰るんだ!!!









《折れない心を確認。実力が及第点に達していることを確認。生きたいという意思を確認。3つの条件がそろっていることを確認。これより、保留にしていた、対象者のスキルの進化を発動させます。

成功しました。

スキル【魔眼】をスキル【神眼】へと進化させます。

そしてスキル【天賦】をスキル














戦神アレス】へと進化させます≫











あとがき

さぁ物語はここからだ。


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