第14話 不穏な予感

今日も朝起きて、ユリナと一緒に冒険者ギルドに来ていた。


「なんか静かですね」

「だな」


今日はいつもみたいな酒臭さがあまりなく、ギルドが静まり返っていた。

どうしたんだろうか?いつもならみんなで騒ぎまくってるのに。


「どうしたんですか?これ」


なのでとりあえずリーナさんに聞いてみた。


「最近魔物が森に全然いないんだそうです」

「なるほど、それでか」


魔物がいないから、金が無い。金が無いから酒は飲めないってことか。


「それにしても、全然いないからと言って、ここまで静かなのはどうゆうことなんでしょうか?この街でも魔物がいないってのは別に珍しいことでは無いはずですよね?」


そう、この世界では魔物が急にいなくなったりすることがある。

その土地からいなくなった魔物は違う土地に行ったとされている。

なのでそこまで落ち込むことは無い。

魔物が狩れないという点はあるが、ここエドナスには、少し遠いが、ダンジョンがある。そこで稼げば良いはずだ。


「すみません。言い方が悪かったですね」

俺とユリナが首をかしげているとリーナさんが言った。

「魔物が全然いないのではなく、






















「「は?(え?)」」


?そんなことあるのか?

どこの場所にも必ず10体くらいはいるはずだ。

それがいない?


いや、待てよ?そういえば.......。


当たってほしくないな、この考えは。




「リーナさんちょっと」

そう言って俺はユリナを置いてリーナさんを連れて行く。


「リーナさん今回の件.......かもしれない」

「!!!それは本当ですか!」

「あぁそうとしか考えられない」

「では!」

「おう。ギルドマスターに報告しといてくれ」

「はい!」


さて、俺も気合入れていくか。






「イスカさん。何があったんですか?」

「あぁちょっとまずいことが起きてな」

「まずいこと?」

「あぁ」


今回は俺史上最高にやばいかもしれないしな。


「一体何ですか?やばいことって」


気になってるみたいだな。まぁ良いか言っても。


「スタンピードだ」

「え?」



魔物大行進スタンピード

「ッ!?」







魔物大行進スタンピード】それは数万規模の魔物が押し寄せてくる災害。

原因は、何か大きな魔物がその地に現れ、それに怯えた魔物が逃げ出して起こる。というのが一般的な【魔物大行進スタンピード】だ。


だが今回は何かが


普通、【魔物大行進スタンピード】はギルドが発見して初めてその存在を確認できる。


しかし、今回はギルドでさえも気付くことができなかったという


知性を持っている何者かが結界を貼り、バレないようにしていた可能性が高い。


何故俺が気付けたのかと言うと、この前の探知の時だ。


何故か集団で固まっている魔物。そしてその時俺が探知した範囲では、そこにしか魔物は


ということは違う魔物同士が集まっているということになる。

だがそれはありえない。


ハイオークとオークが一緒ならまだしもハイオークとハイオーガは無い。

コイツラはオークとオーガの上位者同士。つまり人間で言うところの王様だ。


人間は知性が宿っているため、同盟などを結ぶことができるが、魔物に知性は無い。

国のトップが集まったらどうなる?


自分の国の利益しか考えないだろう。


つまり相手の領地を奪う、だ。


魔物はそんなことは考えていないだろうが、違う種類同士が会うと、戦闘が起きる。


つまり、あの光景は異常というわけだ。


だから今回の【魔物大行進スタンピード】は誰かが意図的に起こしている。という考えになったわけだ。


そして今回その意図的に起こした張本人は、恐らく


今回ばかりは、俺も本気で殺りに行かないとまずいかもな。






あとがき

魔物大行進スタンピード】はやべぇ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る