第12話 原因

ユリナside

え?えぇ!?な、なんか倒れちゃったんですけど!?

ど、どどどどうすれば良いんでしょう!?

と、とりあえず落ち着きましょう。


「スゥーハァアア」


よし、落ち着きました。

では、何故倒れてしまったのかを考えてみましょう。


1つ目MPが切れてしまった。

これは多分違いますね。ただのファイアボールであんな威力が出せる人が簡単にMPが切れるはずがありません。


2つ目外部からの攻撃。

これは考えたくありません。私よりも遥かに強いイスカさんが倒されている時点で私にできることは無いので。できればそうでなくてほしいです。


3つ目脳がショートした。

これが今のところ一番高い可能性ですね。ファイアボールですらあんな威力を出したので加減が分からず広い範囲を探知してしまったのでしょう。そうなれば情報量が多すぎて脳がショートし、気絶したという感じになります。

まぁ真実は起きてから聞きますか。


私はイスカさんの頭を自分の膝に載せ、顔を見つめる。


可愛いですね。この寝顔。


よく見ると顔は整ってるんですよねこの人。そう思いながら顔を近づける。





イスカside

やべ。ミスった。魔力が多いってこと忘れて調子に乗ったら、情報量多すぎで脳がショートしたわ。


そういえば、なんかさっきからユリナが俺の顔見ながら心のなかでめっちゃ喋ってたんだよな。考察とか当たっててすげーと思ったし。


まぁそろそろ起きますかね。


そう思い目を開けると、





「あ?」

「ッ!!」

ユリナがめちゃくちゃ近かった。








ユリナside

あ、危ない。急に目を覚ましましたよこの人。

しかも顔を近づけたときに。

は、恥ずかしい。


でも起きてくれて良かったです。一人じゃ心細かったので。


あ、そういえば私の考察が当たってました!

嬉しいです!



イスカside

びっくりした~。

目の前にユリナの顔は聞いてない。正直めちゃくちゃ焦ったぞ。あとユリナの膝枕は最高だった( ̄ー ̄)bグッ!


「だ、大丈夫ですか?」

「おう。ちょっとミスっただけだ。問題ない」

「そ、そうですか」

「もう一回やるわ」

「気をつけてくださいね?」


俺は再度意識を集中させ、今度は先程のように倒れたりしないよう、距離を調節する。よし、このぐらいだな。俺は魔力を広げて、探知をした。すると、


「おっ!魔物がたくさんいるぞ!行こうぜユリナ!」

「え?」


俺は有無を言わさずにユリナを抱えて走り出した。


「ちょ、ちょっとまってください!この持ち方はなんとかならないんですか!」

「ん?お姫様抱っこが良いのか?しょうがないな」

「えっ!いやちがっ」

俺はユリナをお姫様抱っこしながら森の奥に集合していた魔物を狩りに移動する。


「おー!いっぱいいるな!」

「いっぱいどころじゃないですよ!数千体いるじゃないですか!」


そうここには数千体の魔物が集まっていた。


「よっしゃー!経験値ゲットだぜ!」

「あ、ちょ、ちょっと!せめて私をおろしてください!」

「黙ってろ!舌噛むぞ!」

「ハイッ!」


俺はユリナを抱えたまま魔物を狩っていく。そこにはオーガやオークの上位種。ハイオークやハイオーガなどがいたため、結構美味しかった。(経験値が)






1分後

「う、うそぉ」

「ふぅ。楽しかった」

「まさか全滅させるなんて。しかも私をお姫様抱っこしながら。ほんとに何者?」

「帰ろうぜ!」

「あ、は、はい」











???side

な、なぜだ?なぜ私の集めたモンスターがいなくなっているのだ!!!!

どこかに消えたのか?いや、違う。これは戦闘の跡?

冒険者ギルドが気付いたのか?

いや、それはないはず。ここは結界によって隠していた。そう簡単に見破れる訳がない。ならば誰がやったんだ?


まぁ良い。そいつは私直々に殺しに行ってやろう。


はぁ。また最初から集めないといけないのか。










あとがき

なんかちょっとかわいそう。

誰なんでしょうね、こいつは。



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