第7話 離脱

とうとう始まったな。レベル上げが。

とりあえず、適当なところで離脱するか。


「ここはスライムたちがいる第一階層だ!まずはここでレベルを上げてもらう!」

「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」」

俺も怪しまれないようにやっておくか。今更スライムごときでレベルは上がらないけど。そう思いながらスライムを狩っていく。



数時間後...

「次の階層へ行くぞ!」

「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」」

なんだかんだで4階層か。ペースが俺個人の時より遥かに早いな?レベルはちゃんと上げれているのか?すると俺の心配していたことが現実になる。


「キャーーーーーーーー!!!」


やっぱりな。

そこには一人の女子生徒がオーガに追い詰められて、壁に寄りかかっていた。

【鑑定】した結果、あの女子生徒は一人でオークすら倒すことができないステータスだった。やはり俺の危惧していた通り、主要メンバーたちのレベルが他の生徒達と比べて遥かに高い。遥かに高いと言っても差は10レベルくらいだが。


「クソっ!霧崎さんから離れろ!!」


そう言ってオーガを倒したのはやはり有田勇正だった。


「勇正くん!!ありがとう!!」


そう言っている霧崎は恋する乙女のような目を有田勇正に向けていた。

というか実際に心のなかで、「勇正くんかっこいい!好き❤」みたいな感じだった。

勇正は「フッ。完璧に決まった。俺かっこいい!」みたいな感じだ。ウザイなこいつ。


もういいわ。抜けようかな?うんそうしよう!じゃあなお前ら!後はがんばれ............

「グギャァアアアアアアアアアアアアア」

よ....ってはぁ!?なんでドラゴンがここにおんねん!ふざけんなよ!


もぉ!殺ってやるよこのクソトカゲが!

いや待てよ。ここで俺が殺ったら、離脱できなくね?

え、どうしよ。うーん。うん?そうだ!あのクソ勇者の手柄にすればいいじゃん!

あいつに攻撃させて、攻撃した瞬間に俺が殺せばバレなくね?

よし!そうしよう!


「ゆ、勇正くん!君ならドラゴンを殺せるよ!頑張って!!」

「ぼ、僕が?」

「そう!君なら行ける!!」

「「「そうだ!お前なら行ける!」」」


よし!これであいつは調子に乗るはず!


「分かったよみんな!君たちの期待に答えれるようやってみるよ!」

きたーーーーーーーー!!!!!

こいつ馬鹿だろw

「喰らえドラゴン!!ハァアアアアアア!!!!」


よし今だ!


ちょうど勇正の剣がドラゴンに到達するときに、俺はすでにドラゴンの前で構えていた。刀を鞘に戻し渾身の居合斬りを放つ。そして、元の位置に戻る。

すると、あら不思議!勇正の剣がドラゴンを切り裂いているではありませんか!!


「うぉおおおおおお!!!」

「すげぇぜ勇正!!!」

「さすが勇正くん!!」

「かっこいい!!」

みんなからそんな声を浴びて、最初は自分がドラゴンを殺したのかということに疑いを持っていたが、そうなんだろうと思い込み、

「僕はやったぞ〜!」

「「「「「「「「「「「「「「「わぁーー!!」」」」」」」」」」」」」」」

そう叫んだ。

よし!今のうちに!



「っしゃぁ!!!成功だ!」

さて、離脱してきたはいいもののこれからどこに行こうかな?

そう考えて、今朝シャルにもらったこの世界の地図を広げた。

「どーれーにーしーよーうーかーな、てーんーのーかーみーさーまーのいうとおり!!」

うーんと?魔法都市エドナスか。

よしまずはそこに向かうか!








あとがき

これで第一章は終了です。

次から第二章にはいります。



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