創作

やどくが

創作

手製の命は零れ落ち

紙上の白を陸と見た

ここが自分の居場所だと

胚は無邪気に跳ね回る


黒をもって痕を残す

紙に架空を形作る

かいて、消して、またかいて

やがて姿が見えてくる


私の思考を胎として

私の「好き」を骨として

線や言葉を肉として

紙上で踊る確かな生


それこそまさに私の子

私が生んだ無上の美

私を見つめるその瞳は

さながら夜空の一等星


芍薬、牡丹、百合の花

金、銀、金剛、玻璃、真珠

どれもあなたに適うまい

何もあなたに代わるまい


誰が何と言ったとて

あなたは私の大事な子

時間も惜しまず育て上げた

こよなき無二の傑作達


手製の命は白に落ち

黒で自身を表した

しかしこれほど鮮やかなのは

“あなた”が光を放つから

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創作 やどくが @Garnet-Schreibt

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