第17話 のんびり薬草集め
「あー、今日はもう疲れたな」
すでに薬草を半分近く集めてボーっと黄昏てるグレンがいる。
スピナーのせいでバレかけたけど、スピナーのおかげで乗り切れたからよしとしよう。まぁ、マッチポンプな気がするけど。
「これは、今日もプチ贅沢をするしかないな」
グレンは自分の中にルールを作っている。その一つに大きなきっかけや出来事がある時は、プチ贅沢をしても良いルールだ。
「よし!そうと決まれば薬草をパッと集めよう!」
そしてまた、立ち上がり薬草集めを再開する。
・・・・・・・
「ふぅ、これでクエスト達成だな」
そして薬草を集め終えて、腰に手を当てて一息をつく。
「もう昼は過ぎたのか。遅くなったけど昼飯を食うか」
けど、うーん
「でも、ここじゃ食べにくいな。少し移動するか」
今日はいい天気だ。こんな天気なら少し陽が当たらない所で食べたい。だからゆっくりと落ち着いて食べられるところまで移動する事にする。
「ここにするか」
少し歩いて木陰の近くまで行き、ここで食べる事にした。
「今日はこれにするか」
魔法袋から昼食を取り出す。
魔法袋の良い点は、容量が大きく、入れてある物の時間が止まるので出来立てが食べられることだ。
まぁ……その分高いけど
魔法袋から取り出したのはおにぎりだ。この世界にも米があったのはすごく良かった。
この街ではあまり、米は食べられていない。全く嘆かわしい。
米は別の国からしか取れないので取り寄せるしかないが大量に買ってあるので、しばらくは問題はない。
「うーん、やっぱり炊き立ての米で作ったおにぎりは最高だな!」
今日のおにぎりはシンプルにシャケとおかか、あとは変わり種として肉とチーズを入れたおにぎりと昨日の残りの肉を入れたおにぎりのの4つだ。
ここに味噌汁があれば最強だったな。米に味噌汁はもう最強だ。
「さて、まずは何から食べようかな」
「あれ?さっきぶりだね」
「うん?」
何から食べようかなと、悩んでいるとさっきギルドで会った月の雫のリーダーに話しかけられた。
しかも、パーティメンバー勢揃いだ。
…ねぇ、なんでここにいるの?
「え、あぁ、どうも」
とりあえず、失礼のないように挨拶をしておく事にする。
もうめんどくさいのとお腹が空いてるので気にしない事にする。気にしたら負けだ。
「それ、美味しそう」
おっと、俺の昼食が目をつけられたらしい。リズが水色の目で食べたいと訴えてる。
俺も腹が減っているが、まぁ1つくらいなら別にいいだろ。
「えぇと、良かったら1つ食べますか?」
「…良いの?」
「まぁ、必要ないのでしたら大丈夫ですが」
「…食べる。ありがとう」
そしてリズは王道のシャケを手に取った。まじで何しに来たの?
新手のカツアゲか? 俺の昼飯をタカリに来たのか?
とりあえず、残り3つになったが3つもあれば充分だな。
「「「……」」」
「……」
そんなに見られるとすごく食べずらいんですけど。
え、まさか。
「…よ、よろしければ皆さんも食べますか?」
「良いのかい?」
「よろしければですが」
本音を言えばあげたくない。でも、ここで印象が悪くなれば街に住みづらくなってしまうかもしれない。
だから建前で言っただけ。ここで断ってくれたら最高だ。
「じゃあ、ありがたく」
「ありがとうね」
「ありがとうございます」
「……」
見事に全員がおにぎりを手に取った。どうやら日本人の謙虚の心は異世界では通用しないらしい。
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