第11話 見つける


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彼は空を飛んで街の方へ向かって行った。


「行ったね」


「そうだね」


「…普通あの速度では空は飛べませんよ」


そう。一流の魔導士は空を飛んだりできるけどあそこまでの速度は出ない。

 当たり前の様に高速で空を飛んで帰って行く彼を見て、少し笑ってしまった。


「…彼の事をどう思う?」


僕は皆んなに彼の印象を尋ねた。僕以外のパーティメンバーがどう思ったか、気になった。


「そうだね、私は悪い人では無いと思うよ」


「そうですね、あの気持ちが悪い視線もありませんでした。私も同じ意見です」


「身体を要求する事もなかった」



僕も一瞬お礼と言いながら、要求をしてくるかもと思ったけど杞憂だった。

 おかしな、仮面をつけてたから少しだけ怖かったから良かった。


「あの人…気になる」


「え?」


ステラが驚くのも、無理は無いと思う。だってリズが男の人に興味を示すことなんて今まで無かった。

 僕も含めてこのパーティは基本的に男には興味なんてものはなく嫌悪の対象であったから。


「でも、そうですね…私も少し気になります」


「へぇ、カーラもなんて」


驚いた。リズだけじゃなく、カーラも興味を示すなんて。

 まぁ僕も気にならない訳じゃないし? 横にいるステラも全く興味がない訳でも無さそうだしね。


「そういえばさ」


「「「??」」」



彼…結構重要な事を言ってたよね。確か・・・

}だっけ?

 僕は、口元に笑みを浮かべて、皆んなに聞いた。


「みんな…聞こえた?クエストでオークが必要だったらしいよ」


「ちゃんと聞こえたよ」


「えぇ、聞こえました」


「バッチリ」


「それが、どうかしたの?」


みんなも聞こえてたらしい。多分…今の僕は少しおかしいのかも知れない。

 だからこんな提案をしてしまった。


「あのさ…彼には命を助けて貰った訳だし…街に帰ったら改めてお礼をしない?」


「え?…いや、でもそれは…その…」


 …やっぱり、カーラは悩んでる。気にはなるけど迷惑なんじゃないかと思ってる感じだね。


「それは良いアイディア」


するとリズがいつにも増して、やる気だった。あのいつもやる気がなくて、ぐうたらなリズが。


「うん、私も良いと思うよ」


やった!!ステラも同意してくれた。僕は内心喜んでいた。


「分かりました。改めて街に戻って改めてお礼をしましょう」


「決まりだね。クエストでオーク…か」


オークのクエストは討伐か、調査くらい。しかも最近のここら一帯のオークのクエストは緑龍によって著しく減っていたから見つけるのは難しくは無いはず。

 僕はまた会えること、どんな人なのかを考えると胸が少しドキドキすることに気づいた。


「フフフ…絶対に見つけて見せるよ」


僕はそう言いながら街の方角を見た。








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 長くなりましたが、ここからがタイトル本番に入って行きます。ここまで読んでくださりありがとうございます!


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