第8話 出会い

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「間一髪だったな」


 いや、ほんとうにね。 まじでギリギリだったわ。 探知魔法を広げたら、緑龍より強い魔力と小さくなっていく魔力が4つあったから、なんかやってんのかなって見に行ったら、人が4人ぶっ倒れてたからびっくりしたわ。




 しかもなんか変な龍が、4人の方に近づいてたし。バレない様に魔法袋マジックバックにあった仮面をかぶってとりあえず


 振り向いて倒れてる人たちを確認すると、見たことがある顔だった。

 しかも、今日ギルドで見かけたばっかの。




 あれ?こいつら、”月の雫”じゃね?


「……」


 あー、なるほどな。たぶん目の前の龍が4人を餌として認識したのか。

 だからこそ喰う為に近づいてたんだろうな。


 改めて見ると、4人ともが重症なことに気付く。


「毒か…」

 

 4人は毒に侵されて、動けない程に弱っていた。俺はまずアリスに近づいて上体を起こす。



飲めるか?」




 俺は魔法袋マジックバックから解毒薬を取り出して飲ませようとする。

 果たしてこんな仮面をつけた怪しい奴からの薬を飲んでくれるだろうか?




 俺、一歩間違えたらただの不審者じゃないか?


 


“ゴクッゴクッ”


 どうやら飲んでくれたみたいだ




「…え?」



 アリスは信じられないことが起きた様な表情だった。

 俺は同じ様に3人の上体を起こして、解毒薬を飲ましていく。

 


「あれ?」


「嘘?」


「???」



 3人も信じられない様な表情だった。するとアリスが口を開く。




「あの、ありがとう…でもどうやって?」


「そうです!あの毒の解毒薬は存在しない筈です!」



 カーラも続いて驚いた様な、疑う様な、目で俺を見てくる。

 うん、まぁこんな怪しい奴の薬だからしょうがないな。




「あー、そうだな、簡単に言えばこの薬は、毒に反応してする」


「え?」


「つまり、解毒が出来る」



 全員がぽかーんとした表情でこちらを見ていた。まぁそんな事を言っても信じられないよな。



 「そんなのどこで手に入れたの?」


 リズが不思議そうな顔で聞いて来た。そりゃ気になるよな。


「自分で作った」


「「「「は?」」」」


 だって毒の種類覚えるのとか、めんどいし。大体はコレがあれば毒の心配はいらないしな。でもこれが作れたのはある人のお陰でもあるんだよな。




 ・・・・振り向いて蹴り飛ばした龍を見ると起き上がっていた。

 まぁ、後の問題はあいつだけだな。



 ・・・なるほどな、狂蒼龍か。確かにこの4人じゃ勝てないだろうな。

 そして俺は立ち上がって、龍の方へ歩き出す。



 そして・・・・・





          『開門かいもん



 

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