第4話 違和感

・・・・・


しばらく歩くとヘイル森林についた。



「……いつもと違う気がする」


  ただなんとなくそう思った。


それはこの森自体がおかしいのか。それともここら一体がおかしいのか。そこまでは分からない。

 ・・・ただ確かに何かが起こると思った。


「……まぁ何とかなるか」


そう言って鼻で笑い、俺は森に入って行った。



============


「……やっぱり、少しおかしいな」


しばらく森の中を散策してもオークが一匹も見当たらない。

探知魔法を使って探ったが

オークはの気配は掛からなかった。


「はぁ、もう少しだけ探知魔法を広げるか」


俺はため息をついて探知魔法を更に広げて行く。


「ん?なんだ?••••」



▲▲



「みんな、もう少しで緑龍の所に着くよ。」


 僕たちのパーティ、月の雫は緑龍の討伐のためロイア山脈へ向かっている。

 パーティの仲間達もみんな仲が良い。


「アリス〜、おんぶして〜」


「ちょっと!リズ!!もう少しなんだから頑張って下さい!」


「カーラはいつもうるさい。小言ばっかり言ってると、胸がもっと小さくなる。」


「私は!! 平均的です! 貴方達が異常なんです!! アリスもおんぶしなくて良いですから!」


2人はいつもこうやってじゃれあっている。 僕はいつもこの光景を微笑ましく思う。



そうして見ていると、リズが少し嫌悪感のある表情で言った。


「ギルドの男連中……また私達のこと見てた。」


「確かに……あの遠慮のないな視線はとても不快

 です。」


カーラも嫌そうな顔で眉を顰めて同意していた。僕も同意だ。


男達のあの体を舐め回す様な気持ち悪い視線は吐き気を催す程だ。


僕たちのパーティは、みんな顔も整っていて、とても魅力的だ。

 けれど容姿が整っていても、良いことだけと言うこともない。


男達からは気持ちの悪い視線をぶつけられるし、下心丸出しの商人からも食事に誘われる。

 最初の方は女性だけのパーティといった所もあり、男連中からも良く絡まれていた。


  ま、全部撃退したけどね!


今は絡まれることも無くなったけど、あの視線だけはずっと慣れない。


 本当に気持ちが悪い。


だから僕たちは男性が好きじゃない。むしろ嫌いな方だ。


そんなことを考えていると偵察に行っていたステラが戻ってきた。


「緑龍はロイア山脈にいたよ。けど・・・」


「けど?」


「動きが少しおかしいんだ。辺り一面の魔物を捕食

してたよ。」


「それは••••確かに妙ですね」


 カーラが言う様に少し妙だ。龍種は賢いから、自分の縄張りの生態系を無闇に荒らしたりしない。

 

それこそ強大な何かが近づかない限りは。


「うん、まるで一刻も早く魔力を得ようとしてるみたいだったよ」


「うーん」


 僕はしばらく悩んだが、最終的にみんなの意見を聞くことにした。



「みんなはどうするべきだと思う?このまま進む?

 それとも1度引き返す?」


 しばらくみんな考え込んでいたが、カーラが意見を出した。


「私は、このまま進んだ方が良いと思います。

 万が一にも緑龍が赤龍に進化してしまったら私達の

 手には負えません」


「それは••••確かにそうだね」


あの街にはランク8のパーティは僕たち以外だと1パーティしかいない。

 実力も僕たちとあまり変わらない。それの意味は、

赤龍に進化するとあの街はに壊滅する。


ならば早めに手を打つべきだろう。


「私も同意」


「うん、私も同じ意見だね」


リズとステラの意見も一緒みたいだ。


「決まりだね」


僕は意見が纏まったことを確認してパーティ全員で

緑龍の所へ向かう。




—————————————


しばらくはアリス達の視点が続きます!!


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