第106話 正義の貴公子②
「もちろんお聞きしている。だが、公爵様は存じないとおっしゃり、ギルドでは正規の手続きの結果と言われたよ」
「じゃあ何も問題ないね。さよなら」
「待つんだ、まだ話は終わっていない」
「僕が話すことはないね」
「先ほどから聞き間違いかと思っていたが、公爵様に敬称もつけず軽々しく口にする。己の非も認めない。先ほどその男にした蛮行については言い逃れできまい」
「いや向こうが言いがかりをつけて金と命を脅し取ろうとしたんだから、反撃されて自業自得な話でしょ。以上、おしまい」
「…………。確かに、これ以上は無駄なようだ。仕方がない。ここまで丁寧に話をしてもわかってもらえないのならば、後はこの『ジャスティスランサー』で
気がつけばギルドのホールから机やら椅子やらが壁に並べられて戦えそうなスペースが出来上がっている。
そして金ピカの槍を構えるキルシュ。
自分の正義に合わないからたたき伏せるってもうそれヤカラだよね。
別に僕は彼に何かしたわけじゃないのにさ。
あ、ちゃんと聞いとかなきゃ。
「
「無論、君がこれから悪いことをしないよう根性を叩き直し更生させるのだ! 私に負けたあと私の従者となり人助けをしてもらおう、彼らのように!」
キルシュが構える槍を見てみる。
聖槍『ジャスティスランサー』、持ち主の信じる正義に応え、仇なす敵にクリティカルダメージを連発できる。
自分の正義に酔いしれる輩に、それを増幅する槍とか凶悪すぎる。
ある意味お似合いか。
なら、僕も槍を使おう。
時空間収納から真っ黒な槍、神槍ヘルメスジャベリンを取り出し、同時に槍の適性を【リバース】して【槍神】を得る。
「なんだその槍は⁉ 見たことがないぞ。確か剣を使うという話だったが、槍も使えるのか? だが私は怯まない。悪は許さん!」
キルシュの鋭い突きが連続で襲いかかってくる。
右へかわし、左へかわす。
穂先同士をカチあわせ、穂先を逸らす。
「くっ、やるな……」
槍を引き戻しつつこちらを見据えてくるキルシュ。
ここで僕の反撃だ。
「『ロードオブヘルメース』!」
神槍から発せられる黒い光がキルシュの黄金の鎧を貫いた。
◇◇◇◇◇◇
スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】【時空間魔法】【灼熱魔法】【凍氷魔法】【マジックハンド】【誘惑】【痛覚緩和】【状態異常完全耐性】【炎精霊の守護】【幻魔】【疾風迅雷】【闇精霊の守護】【怪力乱神】【雷神剣】【強運】【晴嵐魔法】【謙虚】【ヘブンズゲート】【ニンジャマスター】【雄弁】【真理の究明者】【アビスの囁き】【超直感】【槍神】
ランク:オリハルコン
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