第100話 強襲
王都から離れた小高い丘。
そこには貴族の別荘と思われるお屋敷が建っている。
「ここが闇ギルド『ダイアモンド』のアジトか……」
周りは林で、獣道しかない。
そして僕は空中に浮いてその屋敷を見下ろしていた。
(『ダイアモンド』の奴らも大口叩いた割にこの場にいないとは役立たずどもめ!!)
という教皇の言葉を僕はきっちりと覚えていた。
だから、教皇を葬ったあと闇ギルドのメンバーを1人捕まえ『記憶剥奪』で『ダイアモンド』の情報を抜き取った。
そして月一回主要メンバーがここに集まることを知ったのだ。
報連相がしっかりしているらしい組織でよかった。
なお、捕まえたのは序列5位『殲滅』と呼ばれてたやつで、指名手配の重犯罪者だったらしいので用が済んだ後そいつを衛兵に引き渡した。
しばらくして冒険者ギルドからミスリルランクに昇格させるとの通知がきたよ。
記憶を抜いて廃人状態で使い物にならないはずだけど、それでもこんな恩賞をもらえるとはやはり『ダイアモンド』は恐れられている組織なのだろう。
だけど、その歴史も今日で終わり。
「『クリムゾンフレア』!!」
【灼熱魔法】最大の攻撃、巨大な炎の塊を発生させ、空中から屋敷に叩きつけた。
灼熱の余波が僕を撫でていく。
周りの林も巻き込んだのは申し訳ないが、異世界に自然環境保護団体なんていないので問題ない。
◇◇◇
その日、王都はかつてない揺れと爆音に襲われた。
天変地異か、と恐れ
もしかしてスタンピードの予兆なのかと身構える王都の騎士団。
方向からすると郊外の別荘地あたりであるが、すぐに向かうことができない。
馬は震えて動けないか、逆に興奮して暴れ回っているし、パニックの最中ドサクサに紛れて現れる泥棒やら何やらの対処に追われたからだ。
そんななか、商業ギルドの受付嬢ソフィアは落ち着いていた。
アランから何をするか聞かされていたからだ。
商業ギルドのマスターとか、伝えてもいいと言われた人間にも知らせている。
「アランくん、いや、先輩……あまり無茶はしないでね」
ソフィアは音のした方向を見てつぶやいた。
◇◇◇
アランがアジトの上に滞空し奇襲するほんの少し前。
会議中の『ダイアモンド』のマスターは不意に全身に悪寒が走った。
【超直感】が発動する。
伝えるのは、『今すぐ屋敷から逃げろ』だ。
これはただ事ではない。
自身も転移石を握りしめつつ、同じ部屋にいた幹部たちに怒鳴った。
「お前たち、すぐにこの屋敷から出ろ! いいか、今すぐにだ!!」
◇◇◇◇◇◇
スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】【時空間魔法】【灼熱魔法】【凍氷魔法】【マジックハンド】【誘惑】【痛覚緩和】【状態異常完全耐性】【炎精霊の守護】【幻魔】【疾風迅雷】【闇精霊の守護】【怪力乱神】【雷神剣】【強運】【晴嵐魔法】【謙虚】【ヘブンズゲート】【ニンジャマスター】【雄弁】【真理の究明者】
ランク:ミスリル(アリサ:ゴールド)
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