第98話 尋問
そういや『影潜り』が欲しくって【ニンジャマスター】を奪ったけど、よく考えれば【時空間魔法】があるからそこまで必要なかったかも。
あ、思考がそれた。
教皇をどうにかする前に聞いとくことがあるな。
「あなたのどうでもいい話は終わった? じゃあ聞くけど、あ、ウォードさん聞きます?」
無言でうなずいたウォードさんは教皇に向かって恐ろしく底冷えする声で問いかけた。
「なぜミストにニーナ=レイジング公爵令嬢を襲わせた? 答えろ」
敬愛する主人の娘を襲わせた怨敵だからか、怖い。
「な、なんだお前は!? 国王派ではないな。答える気はない!」
うん、やっぱりそうなるよね。
というか教皇さんそれなりに肝が太いよな。
今のウォードさんの鬼のような形相を見てなおそんなセリフが言えるなんて。
だからといって手加減はしないけど。
「暗黒魔法、『スレイブチョーカー』!」
「それは深淵を覗いた者が使える魔法! お前、何を犠牲にした⁉︎ 神よ私に抗う力を、『ライトプロテクション』!」
が、抵抗虚しく僕の魔法は光の防御結界を砕き教皇の首に真っ黒で太いトゲトゲのついた首輪がはめられた。
ああ、一応教皇だけあってそれなりに【光魔法】が使えたんだね。
さて、しゃべってもらおうか。
「うぐぐぐぐっっ、口が勝手に! サルヴァン国王と取引をしたのだよ。公爵の娘をどことも知れぬ者に穢させ、求心力を落とす。それを公爵手勢の者の仕業に仕立て上げ、仲間割れをさせ派閥の力を落とす。成功すれば教会に対する税を無税にすると言ってきたのだ」
「そんなことのためにお嬢様を……この下劣者めが!」
ウォードさんは当然怒り心頭だ。
目の前の教皇が卑怯で下衆下劣なことは別によくあることとして、
「それって魔法契約とかしてるんですか?」
「いや、していない。だが向こうが破れば儂の一声で全信徒がサルヴァン国王に反旗を翻すのだぞ。疑心暗鬼なやつだがそんな愚かではあるまい」
王様が約束破ったらどうすんのさ。
それに、その信徒もだいぶ数を減らしてやったし。
あ、物理的にじゃないよ。
「くそっ、聞きたいことに答えたぞ! 早くこの忌々しい隷属の首輪を解除しろ、悪魔め!」
あれ?
さっき僕のこと聖人にしてやろうかって言ってたじゃないか。
そんなことよりやっておきたいこと。
僕は歩いて教皇に近づく。
「なんだ、解除するのか!? 早くしろ。早くすれば私の補佐にしてやるぞ! 枢機卿よりも上だぞ!」
手のひらクルックルッで回転自在なのはさておき、僕は黙って【詭弁】【錬金術】を奪い取る。
【詭弁】と【錬金術】はリバースして【雄弁】【真理の究明者】になった。
「アラン殿、もうよいか? これ以上は待てない」
「お待たせしました、どうぞ」
「お、おい儂を助けんか!!」
◇◇◇◇◇◇
スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】【時空間魔法】【灼熱魔法】【凍氷魔法】【マジックハンド】【誘惑】【痛覚緩和】【状態異常完全耐性】【炎精霊の守護】【幻魔】【疾風迅雷】【闇精霊の守護】【怪力乱神】【雷神剣】【強運】【晴嵐魔法】【謙虚】【ヘブンズゲート】【ニンジャマスター】【雄弁】【真理の究明者】
ランク:ゴールド(アリサ:ゴールド)
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