第97話 平穏な生活
「アラン殿。その前になぜお嬢様を狙ったのかを聞かねばなりません」
ウォードさんがいったん僕を止める。
だが、相手は待ってくれないようだ。
「何のことか知らぬが、死ねっ!」
ライナス教皇がそう言うと、その背後から黒い影が5つ襲いかかってきた。
全員【ニンジャマスター】だ。
そのうち三つの影は僕のところへ、残り二つの影はウォードさんへ。
「「「影潜り!」」」
僕が迎え撃とうと剣を構え直すと、暗殺者たちがいったん影に沈んだ。
お、いいの持ってんじゃーん。
ミストからもらおうと思ってたのに父にトドメを刺されて得られなかった『影潜り』。
【ニンジャマスター】が使えるならもらうしかない。
『パーフェクトリサーチ』で影潜り先の異空間を特定し、時空間魔法『テレポート』で追いかける。
「貴様、なぜここに来ることができる⁉︎」
追いかけられると思ってなかった暗殺者が見せたほんのわずかな動揺の隙に【ニンジャマスター】を奪う。
これで用はない。
【ニンジャマスター】がなくなった暗殺者をさっくりと殺し、残りの暗殺者の影潜り用の異空間にまた移動して同じことを繰り返す。
教皇の間に戻ってきたところ、ウォードさんは苦戦していた。
影潜りを駆使して気配もなくヒットアンドアウェイを繰り出す暗殺者の手がかりを掴めないようだ。
「まずいかなぁ」
1人だけ受け持ってまた影へ潜ったところを追跡してテレポートし以下略。
戻ってきたらウォードさんは左肩をナイフで刺されつつ、必殺の蹴りで暗殺者の土手っ腹に風穴を空けていた。
肉を斬らせて骨を断つ、か。
そうでもしないと攻撃のきっかけをつかめなかったんだろうな。
「ヒール!」
ウォードさんの傷を治した。
ついでにナイフで刺されて付与されていた毒も治しておく。
「ヒールごときで深傷も猛毒も治すだと!? 聖女を超えた治癒の使い手ではないか!」
ウォードさんは僕のリザレクションを前に見ているから特に驚いてはいないが、教皇は愕然としていた。
僕がリザレクションを使えると知ったら発狂しそうだな。
「また借りを作ってしまいましたね」
「あなたを無事に帰さないとギースさんが怒りそうですからね」
「私を無視するな! くっ、もう手札が…… 『ダイアモンド』の奴らも大口叩いた割にこの場にいないとは役立たずどもめ!! そうだ、アランと言ったか、今から私の派閥に来ないかっ?」
え、何でいまさら?
「異端認定は当然取り下げてやるし枢機卿にも取り立ててやろう。それほどの能力、聖女などといううっとうしい飾りもいらない! そうだ、いっそのこと聖女を異端認定しお主を聖人に認定しようではないか!」
なにやら必死に訴えかけてくるライナス教皇。
そういや名前があの父(ライアン)とちょっと似ているな。
もうそれだけで聞く価値はないぞ。
「聖女の代わりなんて真っ平です。僕は平穏な生活と普通の扱いが欲しいだけなんですよ」
◇◇◇◇◇
スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】【時空間魔法】【灼熱魔法】【凍氷魔法】【マジックハンド】【誘惑】【痛覚緩和】【状態異常完全耐性】【炎精霊の守護】【幻魔】【疾風迅雷】【闇精霊の守護】【怪力乱神】【雷神剣】【強運】【晴嵐魔法】【謙虚】【ヘブンズゲート】【ニンジャマスター】
ランク:ゴールド(アリサ:ゴールド)
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