第91話 ミストの最期
侯爵にアランを呼び出させ、侯爵家の修練場の四方に闇の宝石を埋め込み【影魔法】の絶技、
この世界に引きずりこんだが最後、相手は死ぬ。
影しかない世界、自身も
ここまで念入りに準備したのはいったいいつ以来か。
そして、ノコノコと現れ
◇◇◇
だんだん慣れてきた。
なんとなく勘でどこから影の剣が飛んでくるのかわかる。
首を傾けかわし、体をひねりかわす。
時々避けきれないやつがくるが、それは自動盾が防いでくれるから大丈夫。
にしても、ミスト本人の気配がいまいちわからない。
はっ、もしかしてこの世界そのものがミストだったりして。
『俺自身が影になることだ』ってか?
【神眼】でみると、ホントにそうだった。
ただし、持続時間はそんなにないらしい。
じゃあ時間切れまで待つか、ってそんなかっこ悪いことはできない。
「
◇◇◇
一瞬にして視界に色が戻ってくる。
見慣れたヴァーミリオン家の修練場。
まだ父と兄、兵士たちはいた。
長い攻防だと思っていたが、あの
そして、兵士たちの中に紛れていた黒い人影。
例えるなら……探偵もののアニメで犯人が判明する前は真っ黒な人型で表されているようなもの。
ミストはやはり影自身となっていたようだ。
「ぐっ……何も見えない! 何をしたアラン! 影剣で串刺しにしてやる、どこに消えた!?」
自らの
真っ黒なミストの体から次々と発生する影の剣を回避することなどできない屋敷の兵士たちは影の剣に貫かれて絶命していく。
◇◇◇
屋敷の兵士がほぼ全滅し、ミストも魔力が尽きたのか全身を覆う影が消えていき本体が姿を現した。
「はぁ、はぁ……。まさか、こんなはずは……アラン、この私に2度も屈辱を与えるとは覚えてい……」
「屠龍剣!」
龍をも屠る一筋の剣閃が逃走しようとしたミストを襲う。
これは【剣聖】必殺の奥義。
父、ライアンの剣がミストの胸を貫いていた。
「ガハッ、貴様、裏切るのか……」
「裏切る? ふん、教会の犬如きが儂に指図できると本気で思うておったのか。生意気にも【剣羅】など持ちよって。剣の頂点は由緒ある貴族の儂であるべきよ」
「な、なんだと……」
「貴様がアランを仕留めた隙にまとめて始末してやるつもりでおったが、なんとも拍子抜けであったな」
父はミストの胸から剣を引き抜いた。
「俺が……こんな、カスごときに……お許しください、教皇さ、ま……」
ミストは無念に歪んだ顔のまま事切れてしまう。
「……おお、儂の【剣聖】が【剣羅】にあがったぞ!! 貴様が儂より上の【剣羅】を持ち図に乗っているのは以前から気に食わなかったのだ。だが、最後に人の役に立ったではないか。はーっはっはっ!!」
あれ、ここは僕がミストを倒す場面だよね、常識的に考えて。
「さて、アランよ」
父は剣を一振りし、ミストの血を振り払うとこちらを向いた。
その顔はめっちゃ上機嫌だ。
「何?」
「貴様は剣はダメだった。そして他にも適性はなかった。だがしかし影霧のミストを目の前で撃退した腕は認めてやろう。剣は使ってないようだから、跡取りとは認めんがな」
はあ。
「ケインはおまえのせいで【剣豪】のスキルを失ったが、努力をすればまた剣士系のスキルは修得できるそうだ。教会が過去の例から調べた結果だそうだがな。貴様を滅してやろうかとも思ったが、いま儂はとても気分がいい。お前には罪滅ぼしとしてケインを支えるチャンスを与えよう」
◇◇◇◇◇◇
スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】【時空間魔法】【灼熱魔法】【凍氷魔法】【マジックハンド】【誘惑】【痛覚緩和】【状態異常完全耐性】【炎精霊の守護】【幻魔】【疾風迅雷】【闇精霊の守護】【怪力乱神】【雷神剣】【強運】【晴嵐魔法】【謙虚】【ヘブンズゲート】
ランク:ゴールド(アリサ:ゴールド)
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