第88話 傾向と対策

「この異端者め! ……あ、ミザリー教会って実は私達を助けてくれないんじゃないか?」



「あら、可哀想な異端者よ…… あら、アランこんにちは」



「教皇様、この異端者に裁きを! って別に異端でもよくね?」



 公爵邸でいろいろ考えた結果、【リバース】で信仰心を反転させることにした。

 熱心だった者ほど熱心でなくなるのだ。

 教皇の強みが信者の数というのなら、それを潰してやろうじゃないか。



 とりあえず一週間ほどかけて僕の生活圏にいる人間で隔意を見せた人を片っ端から反転させていく。



 当然、実力行使にきた者たちは返り討ちにするが数が多いのはやはり普通に生活をしている人たち。

 異端者と呼ばれるたびにすぐに【リバース】するのだけれど、どうしたってイライラは募っていく。



 そして僕はたびたび商業ギルドに行ってソフィアさんに抱きしめてもらうことに。

 ちょうどいいので公爵邸から出てしばらくソフィアさんの部屋に住まわせてもらうことにしよう。



◇◇◇



 つまるところ我慢比べだ。


 

 しばらくあちこちの街へ行って信者の皆さんの信仰度をリバースさせてもらう。

 気分は庭の雑草を根気よく引っこ抜いていく感じで。



 信者を使ってじわじわ攻めてくるというのなら、こっちもじわじわやり返してやるぞ。



 少しして、聖女が僕の異端認定を否定したと聞いた。

 悪いけど僕がやることに変わりはない。



◇◇◇



「これは……私の力が落ちている?」



 聖女テレーズはいつものように信者の治療を行っていた。

 教皇に対する水面下での争いもあるが、そちらも捨ておけないのだ。

 そもそも目指すところがあまねく民の救済というのもあるし、【聖女】スキルの強さは自分への信仰の力で変動するから。



 いつもなら簡単に治るものも少し時間がかかっているし、魔力の消費が多くなって疲れやすくなり1日で治療できる人数が少しずつ減ってきている。



 そういえばこのところ熱心な信者が減っている気がする。

 ライナス教皇がアランを異端者と認定してしばらくしてから。

 


 何も証明できないけど、アランは信仰を減ずる方法を持っているのかもしれない。

 とすればアランが教皇を倒した後、私たちが教会を立て直すのにアランが不快にならないような方法を考えないと……



◇◇◇



 ライナス教皇はこのところ寄進が減る一方なことに頭を悩ませていた。



「なぜだ……! 以前は金だけ出していた信者どもが金だけでなく口まで出してくるようになっている。何やら理由をつけて寄進を渋る貴族も増えている。高位の神官を派遣してやっているというのに!」



 悩みはまだある。



「異端者認定したアランにも何も起きていない。1週間もすれば我々に泣きついてくるか、さもなくばその辺の川に死体で浮いているはずなのに」



 まだまだある。



「それに国教であるミザリー教会から脱会する者も現れ始めた。もしや聖女といっしょに別の教会を作るつもりではあるまいな」


◇◇◇◇◇◇



 皆さまのコメントいつも楽しく読ませていただいています!


 ネタコメに対してそれに気づかないで普通の返しをしていることもあるかと思いますが、すいません許してください何でもしますから!



スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】【時空間魔法】【灼熱魔法】【凍氷魔法】【マジックハンド】【誘惑】【痛覚緩和】【状態異常完全耐性】【炎精霊の守護】【幻魔】【疾風迅雷】【闇精霊の守護】【怪力乱神】【雷神剣】【強運】【晴嵐魔法】【謙虚】【ヘブンズゲート】

ランク:ゴールド(アリサ:ゴールド)


いつもお読みいただきありがとうございます😊

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